>>671
物語の背景には、高度経済成長ただ中の都市が舞台とされている。架空の新聞の記事から始まるこの小説の冒頭の文章からは、都市部に、おそらく輸出入の産業の末端の労働者であったと推測される身元不明者が溢れている状況がアナウンスされる。うっかりしちゃうと今の新自由主義に繋がる負の経済史をマイノリティの視点から描く実存主義文学になりそうなオープニンクだが、安部公房の慧眼はそのあとのナラティブの一人称に段ボールをかぶった浮浪者を設定したことである。

でね、俺がここのスレ主の一人語りを見てて「箱男」を連想するのは