前提1 精子と卵子には意識がない。
前提2 快苦の非対称から意識はないほうが良い。

人間={意識、体、...}
精子&卵子={X1、X2、…}
非存在={}

人間視点
快苦の非対称から意識がない方が良い。
Xが何かわからないので何かと比較することは不可能。

精子&卵子
意識がないので、快楽も苦痛も感じない。
X

非存在
意識もXも何も無い。

べネターはシナリオBを非存在としているが、生まれる前の状態は精子と卵子なので非存在ではない。
非存在と比較した場合、前提2から非存在の方が良いとなるが、精子卵子と比較する場合は要素Xが存在する可能性があるので、比較不可能である。
つまり前提1と2が真だとしてもべネターの理論から生まれる前の状態が良いと結論づけることは出来ない。

1.受精卵になる直前の精子と卵子の状態(意識無)
2.死ぬ直前の苦しみから解放されていってる状態(意識有)
1と2を比較して比較的2が良いとなるのならば、生まれる前の方がいいとは一義的には言えない。
生まれない方がいいかどうかは比較する集合の要素によって変わる。