真理を否定する相対主義でさえ自己矛盾してある種の真理を構成する。

この自壊とも言える自己矛盾は、どんな個別的な思想にもそれを支える「真理」があるということ、そして真理と個は不可分であるということを示す。

そもそも「真理がある」という本質的な意識がなければ、人は様々な思想を得ることはできない。それがある故に自説を展開して他説と競合出来るのである。

そして、そうした競合の営為を省みることから自説と他説とを分類して競合させている本質的な意識が自覚されるのである。

また、その意識が変化し続ける現実の営為に基づく故に、意識は新たに分類し直して自説を他説に変えて他説を自説に変えられるのである。