唯心論も唯物論も、その対立においては、他方を真理ではないとするが、心的なものを突き詰めて考えると、物的なものと明確な区別を見つけることは出来ない。

その点で、唯物論と唯心論は二つに区別されつつも一体的なものであり、一体的であると自覚するその意識においては、両論は他方に対して他方の真理である。

そうした唯心論と唯物論の相互性により作り出される意識は、その間に区別を作り出していたことを反省する意識である。

その意識が反省的に形成されると、意識は心と物における相互性を(その時点においては)同意せざるを得ない。

そうして「作り出すもの」と「作り出されるもの」は相互的だと明らかになる。この三者は等しく、一体的であり、三者の同意が真理が「社会的真理」であることを示すだろう。