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退団3年以上のOGを語りましょう
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退団3年以上のスレ [無断転載禁止]
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前スレが埋め立てられたので、こちらでどうぞ! アサコは何でなにも出ないの?お茶会は開かれてるみたいだから単に干されてる? 目つきと口もと に愛嬌があって派手な顔である。髪は多くて、長くはないが、二つに分けて顔から肩へかかっ たあたりがきれいで、全体が朗らかな美人と見えた。源氏は、だから親が自慢にしているのだ と興味がそそられた。静かな性質を少し添えてやりたいとちょっとそんな気がした。才走った ところはあるらしい。 碁が終わって駄目石を入れる時など、いかにも利巧に見えて、そして蓮葉に騒ぐのである。奥のほうの人は静かにそれをおさえるようにして、
「まあお待ちなさい。そこは両方ともいっしょの数でしょう。それからここにもあなたのほうの目がありますよ」 などと言うが、「いいえ、今度は負けましたよ。そうそう、この隅の所を勘定しなくては」指を折って、十、二十、三十、四十と数えるのを見ていると、
無数だという伊予の温泉の湯 桁の数もこの人にはすぐわかるだろうと思われる。少し下品である。 袖で十二分に口のあたりを掩うて隙見男に顔をよく見せないが、その今一人に目をじっとつけていると次第によくわか ってきた。
少し腫れぼったい目のようで、鼻などもよく筋が通っているとは見えない。はなや かなところはどこもなくて、一つずついえば醜いほうの顔であるが、
姿態がいかにもよくて、 美しい今一人よりも人の注意を多く引く価値があった。 派手な愛嬌のある顔を性格からあふれ る誇りに輝かせて笑うほうの女は、普通の見方をもってすれば確かに美人である。
軽佻だと思 いながらも若い源氏はそれにも関心が持てた。源氏のこれまで知っていたのは、皆正しく行儀 よく、つつましく装った女性だけであった。 こうしただらしなくしている女の姿を隙見したり したことははじめての経験であったから、隙見男のいることを知らない女はかわいそうでも、
もう少し立っていたく思った時に、小君が縁側へ出て来そうになったので静かにそこを退いた。 そして妻戸の向かいになった渡殿の入り口のほうに
立っていると小君が来た。済まないような 表情をしている。 「平生いない人が来ていまして、姉のそばへ行かれないのです」「そして今晩のうちに帰すのだろうか。逢えなくてはつまらない」
「そんなことはないでしょう。あの人が行ってしまいましたら私がよくいたします」と言った。さも成功の自信があるようなことを言う、 子供だけれど目はしがよく利くのだか らよくいくかもしれないと源氏は思っていた。碁の勝負がいよいよ終わったのか、
人が分かれ 分かれに立って行くような音がした。「若様はどこにいらっしゃいますか。このお格子はしめてしまいますよ」と言って格子をことことと中から鳴らした。 「もう皆寝るのだろう、じゃあはいって行って上手にやれ」と源氏は言った。
小君もきまじめな姉の心は動かせそうではないのを知って相談はせずに、
そばに人の少ない時に寝室へ源氏を導いて行こうと思っているのである。「紀伊守の妹もこちらにいるのか。私に隙見させてくれ」「そんなこと、格子には几帳が添えて立ててあるのですから」と小君が言う。 そのとおりだ、しかし、そうだけれどと源氏はおかしく思ったが、見たとは 知らすまい、かわいそうだと考えて、
ただ夜ふけまで待つ苦痛を言っていた。小君は、今度は 横の妻戸をあけさせてはいって行った。女房たちは皆寝てしまった。「この敷居の前で私は寝る。よく風が通るから」と言って、小君は板間に上敷をひろげて寝た。 女房たちは東南の隅の室に皆はいって寝たよ うである。小君のために妻戸をあげに出て来た童女もそこへはいって寝た。
しばらく空寝入りをして見せたあとで、小君はその隅の室からさしている灯の明りのほうを、ひろげた屏風で隔ててこちらは暗くなった妻戸の前の室へ源氏を引き入れた。 人目について恥をかきそうな不安 を覚えながら、源氏は導かれるままに中央の母屋の几帳の垂絹をはねて中へはいろうとした。
それはきわめて細心に行なっていることであったが、家の中が寝静まった時間には、柔らかな源氏の衣摺れの音も耳立った。 女は近ごろ源氏の手紙の来なくなったのを、安心のできることに思おうとするのであったが、今も夢のようなあの夜の思い出をなつかしがって、
毎夜安眠 もできなくなっているころであった。人知れぬ恋は昼は終日物思いをして、夜は寝ざめがちな女にこの人をしていた。 人知れぬ恋は昼は終日物思いをして、夜は寝ざめがちな女にこの人をしていた。碁の相手の 娘は、今夜はこちらで泊まるといって若々しい屈託のない話をしながら寝てしまった。
無邪気 に娘はよく睡っていたが、源氏がこの室へ寄って来て、衣服の持つ薫物の香が流れてきた時に 気づいて女は顔を上げた。 626 名無しさん@花束いっぱい。 2016/02/13(土) 21:17:53.44 ID:m5bjd5Fc
「松尾芸能賞」一路さんおめでとう このスレがあったら贔屓が叩かれるー、とか…
該当者多すぎてわからんけどw
巨大コピペができなくなったので、こうやって荒らしてるのでしょう このことで秘密を暴露させることになってはかわいそうであると思った。
それでたびたび方違えにこの家を選んだのはあなたに接近 したいためだったと告げた。 少し考えてみる人には継母との関係がわかるであろうが、若い娘 心はこんな生意気な人ではあってもそれに思い至らなかった。
憎くはなくても心の惹かれる点 のない気がして、この時でさえ源氏の心は無情な人の恋しさでいっぱいだった。 どこの隅には いって自分の思い詰め方を笑っているのだろう、こんな真実心というものはざらにあるもので もないのにと、
あざける気になってみても真底はやはりその人が恋しくてならないのである。
しかし何の疑いも持たない新しい情人も可憐に思われる点があって、源氏は言葉上手にのち のちの約束をしたりしていた。 「公然の関係よりもこうした忍んだ中のほうが恋を深くするものだと昔から皆言ってます。
あなたも私を愛してくださいよ。私は世間への遠慮がないでもないのだから、思ったとおりの行為はできないのです。
あなたの側でも父や兄がこの関係に好意を持ってくれそうなことを私 は今から心配している。 いつ頃から3年以上のOG語ること禁止になったの?
そもそもいつごろスレ分離してガビガビいう奴が現れたの 前の世にも御契りや深かりけむ、世になく清らなる玉の男御子さへ生まれ給ひぬ。
いつしかと心もとながらせ給ひて、急ぎ参らせて御覧ずるに、めづらかなる児の御容貌なり。 一の皇子は、右大臣の女御の御腹にて、寄せ重く、疑ひなき儲の君と、世にもてかしづき聞こゆれど、
この御にほひには並び給ふべくもあらざりければ、おほかたのやむごとなき御思ひにて、この君をば、私物に思ほしかしづき給ふこと限りなし。 はじめよりおしなべての上宮仕へし給ふべき際にはあらざりき。
おぼえいとやむごとなく、上衆めかしけれど、わりなくまつはさせ給ふあまりに、さるべき御遊びの折々、何事にもゆゑある事のふしぶしには、まづ参上らせ給ふ、 人よりさきに参り給ひて、やむごとなき御思ひなべてならず、皇女たちなどもおはしませば、この御方の御諌めをのみぞなほわづらはしう、心苦しう思ひきこえさせ給ひける。 かしこき御蔭をば頼み聞こえながら、おとしめ疵を求め給ふ人は多く、わが身はか弱くものはかなきありさまにて、なかなかなるもの思ひをぞし給ふ。
御局は桐壺なり。 (帝とその寵愛を受けていた女性は)前世でもご縁が深かったのでしょうか、この世のものとは思えないほどの清らかで玉のような皇子までお生まれになりました。 (帝は)早く子どもに会いたいと待ち遠しく思いになられていたので、
急いで(皇子を)参内させてご覧になったところ、めったいないほど美しい御容姿でいらっしゃいます。 それはきわめて細心に行なっていることであったが、家の中が寝静まった時間には、柔らか な源氏の衣摺れの音も耳立った。
女は近ごろ源氏の手紙の来なくなったのを、安心のできるこ とに思おうとするのであったが、今も夢のようなあの夜の思い出をなつかしがって、毎夜安眠 もできなくなっているころであった。 人知れぬ恋は昼は終日物思いをして、夜は寝ざめがちな女にこの人をしていた。
碁の相手の 娘は、今夜はこちらで泊まるといって若々しい屈託のない話をしながら寝てしまった。 しみじみと話して、袖で涙を拭いている美しい源氏を見ては、この方の乳母でありえたわが 母もよい前生の縁を持った人に違いないという気がして、
さっきから批難がましくしていた兄 弟たちも、しんみりとした同情を母へ持つようになった。 袖で涙を拭いている美しい源氏を見ては、この方の乳母でありえたわが 母もよい前生の縁を持った人に違いないという気がして、
さっきから批難がましくしていた兄 弟たちも、しんみりとした同情を母へ持つようになった。 シカゴのスケジュール発表になったね
すでにイベントたくさん 源氏が引き受けて、もっと祈祷を頼 むことなどを命じてから、帰ろうとする時に惟光に蝋燭を点させて、さっき夕顔の花の載せら れて来た扇を見た。
よく使い込んであって、よい薫物の香のする扇に、きれいな字で歌が書か れてある。心あてにそれかとぞ見る白露の光添へたる夕顔の花 散らし書きの字が上品に見えた。少し意外だった源氏は、風流遊戯をしかけた女性に好感を 覚えた。惟光に、
「この隣の家にはだれが住んでいるのか、聞いたことがあるか」と言うと、
惟光は主人の例の好色癖が出てきたと思った。 麻子、ミーマイ前夜祭に出るね
デブは治ったのかしら
そして相変わらず子供は出来てないって事ね
4月で42だしもう無理だわね
ニートになってデブになった、いやデブになってニートになったのか?
とにかくそれだけだったわね 「この五、六日母の家におりますが、病人の世話をしておりますので、隣のことはまだ聞い ておりません」
惟光が冷淡に答えると、源氏は、
「こんなことを聞いたのでおもしろく思わないんだね。でもこの扇が私の興昧をひくのだ。
この辺のことに詳しい人を呼んで聞いてごらん」と言った。 はいって行って隣の番人と逢って来た惟光は、「地方庁の介の名だけをいただいている人の家でございました。
主人は田舎へ行っているそ うで、若い風流好きな細君がいて、女房勤めをしているその姉妹たちがよく出入りすると申します。
詳しいことは下人で、よくわからないのでございましょう」と報告した。 ではその女房をしているという女たちなのであろうと源氏は解釈して、いい気 になって、物馴れた戯れをしかけたものだと思い、
下の品であろうが、自分を光源氏と見て詠 んだ歌をよこされたのに対して、何か言わねばならぬという気がした。
というのは女性にはほ だされやすい性格だからである。懐紙に、別人のような字体で書いた。 寄りてこそそれかとも見め黄昏れにほのぼの見つる花の夕顔
花を折りに行った随身に持たせてやった。夕顔の花の家の人は源氏を知らなかったが、隣の 家の主人筋らしい貴人はそれらしく思われて贈った歌に、
返事のないのにきまり悪さを感じて いたところへ、わざわざ使いに返歌を持たせてよこされたので またこれに対して何か言わね ばならぬなどと皆で言い合ったであろうが、身分をわきまえないしかただと反感を持っていた 随身は、
渡す物を渡しただけですぐに帰って来た。前駆の者が馬上で掲げて行く松明の明りがほのかにしか光らないで源氏の車は行った。
高窓 はもう戸がおろしてあった。 その隙間から蛍以上にかすかな灯の光が見えた。源氏の恋人の六条貴女の邸は大きかった。広い美しい庭があって、家の中は気高く上手に住 み馴らしてあった。
まだまったく源氏の物とも思わせない、打ち解けぬ貴女を扱うのに心を奪 われて、もう源氏は夕顔の花を思い出す余裕を持っていなかったのである。 その隙間から蛍以上にかすかな灯の光が見えた。源氏の恋人の六条貴女の邸は大きかった。広い美しい庭があって、
家の中は気高く上手に住 み馴らしてあった。まだまったく源氏の物とも思わせない、打ち解けぬ貴女を扱うのに心を奪われて、
もう源氏は夕顔の花を思い出す余裕を持っていなかったのである。 早朝の帰りが少し おくれて、日のさしそめたころに出かける源氏の姿には、世間から大騒ぎされるだけの美は十 分に備わっていた。
今朝も五条の蔀風の門の前を通った。以前からの通り路ではあるが、あのちょっとしたこと に興味を持ってからは、
行き来のたびにその家が源氏の目についた。幾日かして惟光が出て来た。 「病人がまだひどく衰弱しているものでございますから、どうしてもそのほうの手が離せま せんで、失礼いたしました」こんな挨拶をしたあとで、
少し源氏の君の近くへ膝を進めて惟光朝臣は言った。「お話がございましたあとで、隣のことによく通じております者を呼び寄せまして、
聞かせ たのでございますが、よくは話さないのでございます。 この五月ごろからそっと来て同居して いる人があるようですが、どなたなのか、家の者にもわからせないようにしていますと申すの です。
時々私の家との間の垣根から私はのぞいて見るのですが、いかにもあの家には若い女の 人たちがいるらしい影が簾から見えます。 主人がいなければつけない裳を言いわけほどにでも女たちがつけておりますから、主人である女が一人いるに違いございません。
昨日夕日がすっ かり家の中へさし込んでいました時に、すわって手紙を書いている女の顔が非常にきれいでし た。物思いがあるふうでございましたよ。女房の中には泣いている者も確かにおりました」 源氏はほほえんでいたが、もっと詳しく知りたいと思うふうである。自重をなさらなければ ならない身分は身分でも、この若さと、
この美の備わった方が、恋愛に興味をお持ちにならな いでは、第三者が見ていても物足らないことである。 恋愛をする資格がないように思われてい るわれわれでさえもずいぶん女のことでは好奇心が動くのであるからと惟光は主人をながめて いた。
「そんなことから隣の家の内の秘密がわからないものでもないと思いまして、ちょっとした 機会をとらえて隣の女へ手紙をやってみました。 するとすぐに書き馴れた達者な字で返事がま いりました、相当によい若い女房もいるらしいのです」「おまえは、なおどしどし恋の手紙を送ってやるのだね。
それがよい。その人の正体が知れ ないではなんだか安心ができない」と源氏が言った。 家は下の下に属するものと品定めの人たちに言われるはずの所でも、そん な所から意外な趣のある女を見つけ出すことがあればうれしいに違いないと源氏は思うのであ る。
源氏は空蝉の極端な冷淡さをこの世の女の心とは思われないと考えると、あの女が言うまま になる女であったなら、気の毒な過失をさせたということだけで もう過去へ葬ってしまったかもしれないが、強い態度を取り続けられるために、負けたくないと反抗心が起こるのである とこんなふうに思われて、
その人を忘れている時は少ないのである。 これまでは空爆階級の女 が源氏の心を引くようなこともなかったが、あの雨夜の品定めを聞いて以来好奇心はあらゆる ものに動いて行った。
何の疑いも持たずに一夜の男を思っているもう一人の女を憐まないので はないが、冷静にしている空蝉にそれが知れるのを、恥ずかしく思って いよいよ望みのない ことのわかる日まではと思ってそれきりにしてあるのであったが、そこへ伊予介が上京して来 た。
そして真先に源氏の所へ伺候した。長い旅をして来たせいで、色が黒くなりやつれた伊予 の長官は見栄も何もなかった。 しかし家柄もいいものであったし、顔だちなどに老いてもなお 整ったところがあって、どこか上品なところのある地方官とは見えた。
任地の話などをしだす ので、湯の郡の温泉話も聞きたい気はあったが、何ゆえとなしにこの人を見るときまりが悪く なって、源氏の心に浮かんでくることは数々の罪の思い出であった。 まじめな生一本の男と対 っていて、やましい暗い心を抱くとはけしからぬことである。人妻に恋をして三角関係を作る 男の愚かさを左馬頭の言ったのは真理であると思うと、
源氏は自分に対して空蝉の冷淡なのは 恨めしいが、この良人のためには尊敬すべき態度であると思うようになった。 伊予介が娘を結婚させて、今度は細君を同伴して行くという噂は、二つとも源氏が無関心で 聞いていられないことだった。
恋人が遠国へつれられて行くと聞いては、再会を気長に待って いられなくなって、もう一度だけ逢うことはできぬかと、小君を味方にして空蝉に接近する策 を講じたが、 そんな機会を作るということは相手の女も同じ目的を持っている場合だっても困難なのであるのに、空蝉のほうでは
源氏と恋をすることの不似合いを、思い過ぎるほどに思っ ていたのであるから、この上罪を重ねようとはしないのであって、
とうてい源氏の思うように はならないのである。 空蝉はそれでも自分が全然源氏から忘れられるのも非常に悲しいことだ と思って、おりおりの手紙の返事などに優しい心を見せていた。
なんでもなく書く簡単な文字 の中に可憐な心が混じっていたり、芸術的な文章を書いたりして源氏の心を惹くものがあった から、
冷淡な恨めしい人であって、しかも忘れられない女になっていた。 もう一人の女は他人 と結婚をしても思いどおりに動かしうる女だと思っていたから、いろいろな噂を聞いても源氏 は何とも思わなかった。
秋になった。このごろの源氏はある発展を遂げた初恋のその続きの苦 悶の中にいて、自然左大臣家へ通うことも途絶えがちになって恨めしがられていた 六条の貴 女との関係も、その恋を得る以前ほどの熱をまた持つことのできない悩みがあった。自分の態 度によって女の名誉が傷つくことになってはならないと思うが、
夢中になるほどその人の恋し かった心と今の心とは、多少懸隔のあるものだった。六条の貴女はあまりにものを思い込む性 質だった。 源氏よりは八歳上の二十五であったから、不似合いな相手と恋に墜ちて、すぐにま た愛されぬ物思いに沈む運命なのだろうかと、
待ち明かしてしまう夜などには煩悶することが 多かった。霧の濃くおりた朝、帰りをそそのかされて、睡むそうなふうで歎息をしながら
源氏が出て行 くのを、貴女の女房の中将が格子を一間だけ上げて、女主人に見送らせるために几帳を横へ引 いてしまった。 それで貴女は頭を上げて外をながめていた。いろいろに咲いた植え込みの花に心が引かれるようで、立ち止まりがちに源氏は歩いて行く。
非常に美しい。廊のほうへ行くの に中将が供をして行った。この時節にふさわしい淡紫の薄物の裳をきれいに結びつけた中将の 腰つきが艶であった。 源氏は振り返って曲がり角の高欄の所へしばらく中将を引き据えた。な お主従の礼をくずさない態度も額髪のかかりぎわのあざやかさもすぐれて優美な中将だった。
「咲く花に移るてふ名はつつめども折らで過ぎうき今朝の朝顔どうすればいい」こう言って源氏は女の手を取った。 物馴れたふうで、すぐに、朝霧の晴れ間も待たぬけしきにて花に心をとめぬとぞ見ると言う。源氏の焦点をはずして主人の侍女としての挨拶をしたのである。
美しい童侍の恰 好のよい姿をした子が、指貫の袴を露で濡らしながら、草花の中へはいって行って朝顔の花を 持って来たりもするのである、この秋の庭は絵にしたいほどの趣があった。 源氏を遠くから知 っているほどの人でもその美を敬愛しない者はない、情趣を解しない山の男でも、休み場所に は桜の蔭を選ぶようなわけで、
その身分身分によって愛している娘を源氏の女房にさせたいと 思ったり、相当な女であると思う妹を持った兄が、ぜひ源氏の出入りする家の召使にさせたい とか皆思った。 >>48 >>78
仕事再開みたいだよ
後半にコンサートとミュージカルがあるらしい まして何かの場合には優しい言葉を源氏からかけられる女房、この中将のよう な女はおろそかにこの幸福を思っていない。
情人になろうなどとは思いも寄らぬことで、女主人の所へ毎日おいでになればどんなにうれしいであろうと思っているのであった。
それから、あの惟光の受け持ちの五条の女の家を探る件、それについて惟光はいろいろな材 料を得てきた。 「まだだれであるかは私にわからない人でございます。隠れていることの知れないようにと ずいぶん苦心する様子です。閑暇なものですから、
南のほうの高い窓のある建物のほうへ行っ て、車の音がすると若い女房などは外をのぞくようですが、その主人らしい人も時にはそちら へ行っていることがございます。 その人は、よくは見ませんがずいぶん美人らしゅうございま す。この間先払いの声を立てさせて通る車がございましたが、それをのぞいて女の童が後ろの 建物のほうへ来て、
『右近さん、早くのぞいてごらんなさい、中将さんが通りをいらっしゃい ます』と言いますと相当な女房が出て来まして 『まあ静かになさいよ』と手でおさえるよう にしながら、『まあどうしてそれがわかったの、私がのぞいて見ましょう』と言って前の家の ほうへ行くのですね、
細い渡り板が通路なんですから、急いで行く人は着物の裾を引っかけて 倒れたりして、橋から落ちそうになって、『まあいやだ』などと大騒ぎで、もうのぞきに出る 気もなくなりそうなんですね。 車の人は直衣姿で、随身たちもおりました。だれだれも、だれ だれもと数えている名は頭中将の随身や少年侍の名でございました」
などと言った。「確かにその車の主が知りたいものだ」もしかすればそれは頭中将が忘られないように話した常夏の歌の女ではないかと思った源氏の、も少しよく探りたいらしい顔色を見た惟光は、 「われわれ仲間の恋と見せかけておきまして、実はその上に御主人のいらっしゃることもこ ちらは承知しているのですが、
女房相手の安価な恋の奴になりすましております。向こうでは 上手に隠せていると思いまして私が訪ねて行ってる時などに、女の童などがうっかり言葉をす べらしたりいたしますと いろいろに言い紛らしまして、自分たちだけだというふうを作ろう といたします」と言って笑った。「おまえの所へ尼さんを見舞いに行った時に隣をのぞかせてくれ」
と源氏は言っていた。たとえ仮住まいであってもあの五条の家にいる人なのだから、下の品 の女であろうが、そうした中におもしろい女が発見できればと思うのである。 源氏の機嫌を取 ろうと一所懸命の惟光であったし、彼自身も好色者で他の恋愛にさえも興味を持つほうであっ たから、いろいろと苦心をした末に源氏を隣の女の所へ通わせるようにした。
女のだれであるかをぜひ知ろうともしないとともに、源氏は自身の名もあらわさずに、思い きり質素なふうをして多くは車にも乗らずに通った。 深く愛しておらねばできぬことだと惟光 は解釈して、自身の乗る馬に源氏を乗せて、自身は徒歩で供をした。「私から申し込みを受けたあすこの女はこの態を見たら驚くでしょう」
などとこぼしてみせたりしたが、このほかには最初タ顔の花を折りに行った随身と、それか ら源氏の召使であるともあまり顔を知られていない小侍だけを供にして行った。 それから知れることになってはとの気づかいから、隣の家へ寄るようなこともしない。女のほうでも不思議 でならない気がした。
手紙の使いが来るとそっと人をつけてやったり、男の夜明けの帰りに道 を窺わせたりしても、先方は心得ていてそれらをはぐらかしてしまった。
しかも源氏の心は十 分に惹かれて、一時的な関係にとどめられる気はしなかった。 これを不名誉だと思う自尊心に 悩みながらしばしば五条通いをした。恋愛問題ではまじめな人も過失をしがちなものであるが、
この人だけはこれまで女のことで世間の批難を招くようなことをしなかったのに、夕顔の花に 傾倒してしまった心だけは別だった 別れ行く間も昼の間もその人をかたわらに見がたい苦痛 を強く感じた。源氏は自身で、気違いじみたことだ、それほどの価値がどこにある恋人かなど と反省もしてみるのである。
驚くほど柔らかでおおような性質で、深味のあるような人でもな い。若々しい一方の女であるが、処女であったわけでもない。 貴婦人ではないようである。ど こがそんなに自分を惹きつけるのであろうと不思議でならなかった。わざわざ平生の源氏に用 のない狩衣などを着て変装した源氏は顔なども全然見せない。
ずっと更けてから、人の寝静ま ったあとで行ったり、夜のうちに帰ったりするのであるから、女のほうでは昔の三輪の神の話 のような気がして気味悪く思われないではなかった。 しかしどんな人であるかは手の触覚から でもわかるものであるから、若い風流男以外な者に源氏を観察していない。
やはり好色な隣の 五位が導いて来た人に違いないと惟光を疑っているが、その人はまったく気がつかぬふうで相 変わらず女房の所へ手紙を送って来たり、訪ねて来たりするので どうしたことかと女のほう でも普通の恋の物思いとは違った煩悶をしていた。源氏もこんなに真実を隠し続ければ、
自分も女のだれであるかを知りようがない、今の家が仮の住居であることは間違いのないことらし いから、どこかへ移って行ってしまった時に、自分は呆然とするばかりであろう。 行くえを失ってもあきらめがすぐつくものならよいが、それは断然不可能である。世間をはばかって間を空ける夜などは
堪えられない苦痛を覚えるのだと源氏は思って、世間へはだれとも知らせない で二条の院へ迎えよう、それを悪く言われても自分はそうなる前生の因縁だと思うほかはない 自分ながらもこれほど女に心を惹かれた経験が過去にないことを思うと、どうしても約束事と 解釈するのが至当である、こんなふうに源氏は思って、
「あなたもその気におなりなさい。私は気楽な家へあなたをつれて行って夫婦生活がした い」こんなことを女に言い出した。 「でもまだあなたは私を普通には取り扱っていらっしゃらない方なんですから不安で」若々しく夕顔が言う。源氏は微笑された。
「そう、どちらかが狐なんだろうね。でも欺されていらっしゃればいいじゃない」なつかしいふうに源氏が言うと、女はその気になっていく。どんな欠点があるにしても こ れほど純な女を愛せずにはいられないではないかと思った時、源氏は初めからその疑いを持っ ていたが、頭中将の常夏の女はいよいよこの人らしいという考えが浮かんだ。
しかし隠して いるのはわけのあることであろうからと思って、しいて聞く気にはなれなかった。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています