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退団3年以上のOGを語りましょう
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退団3年以上のスレ [無断転載禁止]
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前スレが埋め立てられたので、こちらでどうぞ! 源氏はいろい ろに言って同行を勧めているうちに月もはいってしまって東の空の白む秋のしののめが始まっ てきた。
人目を引かぬ間にと思って源氏は出かけるのを急いだ。女のからだを源氏が軽々と抱いて車に乗せ右近が同乗したのであった。 五条に近い帝室の後院である某院へ着いた。呼び出した院の預かり役の出て来るまで留めてある車から、
忍ぶ草の生い茂った門の廂が見上げられた。たくさんにある大木が暗さを作っているのである。 霧も深く降っていて空気の湿っぽいのに車の 簾を上げさせてあったから源氏の袖もそのうちべったりと濡れてしまった。
「私にははじめての経験だが妙に不安なものだ。いにしへもかくやは人の惑ひけんわがまだしらぬしののめの道
前にこんなことがありましたか」 と聞かれて女は恥ずかしそうだった。「山の端の心も知らず行く月は上の空にて影や消えなん心細うございます、私は」凄さに女がおびえてもいるように見えるのを、
源氏はあの小さい家におおぜい住んでいた人 なのだから道理であると思っておかしかった。 門内へ車を入れさせて、西の対に仕度をさせている間、高欄に車の柄を引っかけて源氏らは 庭にいた。
右近は艶な情趣を味わいながら女主人の過去の恋愛時代のある場面なども思い出さ れるのであった。 預かり役がみずから出てする客人の扱いが丁寧きわまるものであることから、 右近にはこの風流男の何者であるかがわかった。
物の形がほのぼの見えるころに家へはいった。にわかな仕度ではあったが体裁よく座敷がこしらえてあった。 「だれというほどの人がお供しておらないなどとは、どうもいやはや」 などといって預かり役は始終出入りする源氏の下家司でもあったから、
座敷の近くへ来て右近に、「御家司をどなたかお呼び寄せしたものでございましょうか」と取り次がせた。 「わざわざだれにもわからない場所にここを選んだのだから、おまえ以外の者にはすべて秘 密にしておいてくれ」と源氏は口留めをした。
さっそくに調えられた粥などが出た。給仕も食器も間に合わせを忍 ぶよりほかはない。 こんな経験を持たぬ源氏は、一切を切り放して気にかけぬこととして、恋 人とはばからず語り合う愉楽に酔おうとした。
源氏は昼ごろに起きて格子を自身で上げた。非常に荒れていて、人影などは見えずにはるば ると遠くまでが見渡される。 向こうのほうの木立ちは気味悪く古い大木に皆なっていた。近い 値え込みの草や灌木などには美しい姿もない。
秋の荒野の景色になっている。池も水草でうず められた凄いものである。 別れた棟のほうに部屋などを持って預かり役は住むらしいが、そこ とこことはよほど離れている「気味悪い家になっている。
でも鬼なんかだって私だけはどうともしなかろう」と源氏は言った。 別れた棟のほうに部屋などを持って預かり役は住むらしいが、そこ とこことはよほど離れている「気味悪い家になっている。
でも鬼なんかだって私だけはどうともしなかろう」と源氏は言った。 まだこの時までは顔を隠していたが、この態度を女が恨めしがっているのを知って、何たる錯誤だ、不都合なのは自分である、
こんなに愛していながらと気がついた、「夕露にひもとく花は玉鉾のたよりに見えし縁こそありけれ あなたの心あてにそれかと思うと言った時の人の顔を近くに見て幻滅が起こりませんか」 と言う源氏の君を後目に女は見上げて、
光ありと見し夕顔のうは露は黄昏時のそら目なりけり と言った。冗談までも言う気になったのが源氏にはうれしかった。 打ち解けた瞬間から源氏 の美はあたりに放散した。古くさく荒れた家との対照はまして魅惑的だった。
「いつまでも真実のことを打ちあけてくれないのが恨めしくって、私もだれであるかを隠し 通したのだが、負けた。 もういいでしょう、名を言ってください、人間離れがあまりしすぎま す」と源氏が言っても、
「家も何もない女ですもの」と言ってそこまではまだ打ち解けぬ様子も美しく感ぜられた。 「しかたがない。私が悪いのだから」と怨んでみたり、永久の恋の誓いをし合ったりして時を送った。
惟光が源氏の居所を突きとめてきて、用意してきた菓子などを座敷へ持たせてよこした。 これまで白ばくれていた態度を右近に恨まれるのがつらくて、近い所へは顔を見せない。
惟光は 源氏が人騒がせに居所を不明にして、一日を犠牲にするまで熱心になりうる相手の女は、それに価する者であるらしいと想像をして 女も源氏とただ二人で暮らしえた一日に、 まだまったく落ち着かぬ恋の境地とはいえ、過去に知らない満足が得られたらしく、少しずつ 打ち解けた様子が可憐であった。
じっと源氏のそばへ寄って、この場所がこわくてならぬふう であるのがいかにも若々しい。 格子を早くおろして灯をつけさせてからも、「私のほうにはもう何も秘密が残っていないのに、
あなたはまだそうでないのだからいけな い」などと源氏は恨みを言っていた。 陛下はきっと今日も自分をお召しになったに違いないが、 捜す人たちはどう見当をつけてどこへ行っている
だろう、などと想像をしながらも、これほど までにこの女を溺愛している自分を源氏は不思議に思った。 六条の貴女もどんなに煩悶をして いることだろう、恨まれるのは苦しいが恨むのは道理であると、
恋人のことはこんな時にもま ず気にかかった。 無邪気に男を信じていっしょにいる女に愛を感じるとともに、あまりにまで 高い自尊心にみずから煩わされている六条の貴女が
思われて、少しその点を取り捨てたならと、 眼前の人に比べて源氏は思うのであった。 十時過ぎに少し寝入った源氏は枕の所に美しい女がすわっているのを見た。「私がどんなにあなたを愛しているかしれないのに、
私を愛さないで、こんな平凡な人をつ れていらっしって愛撫なさるのはあまりにひどい。恨めしい方」 と言って横にいる女に手をかけて起こそうとする。こんな光景を見た。苦しい襲われた気持 ちになって、すぐ起きると、その時に灯が消えた。
不気味なので、太刀を引き抜いて枕もとに 置いて、それから右近を起こした。 右近も恐ろしくてならぬというふうで近くへ出て来た。「渡殿にいる宿直の人を起こして、蝋燭をつけて来るように言うがいい」
「どうしてそんな所へまで参れるものでございますか、暗うて」 「子供らしいじゃないか」笑って源氏が手をたたくとそれが反響になった。限りない気味悪さである。しかもその音を 聞きつけて来る者はだれもない。
夕顔は非常にこわがってふるえていて、どうすればいいだろ うと思うふうである。 汗をずっぷりとかいて、意識のありなしも疑わしい。「非常に物恐れをなさいます御性質ですから、
どんなお気持ちがなさるのでございましょう か」と右近も言った。 弱々しい人で今日の昼間も部屋の中を見まわすことができずに空をばかり ながめていたのであるからと思うと、源氏はかわいそうでならなかった。
「私が行って人を起こそう。手をたたくと山彦がしてうるさくてならない。しばらくの間こ こへ寄っていてくれ」 と言って、右近を寝床のほうへ引き寄せておいて、両側の妻戸のロヘ出て、戸を押しあけた のと同時に渡殿についていた灯も消えた。
風が少し吹いている。こんな夜に侍者は少なくて、 しかもありたけの人は寝てしまっていた。 院の預かり役の息子で、平生源氏が手もとで使って いた若い男、それから侍童が一人、例の随身、
それだけが宿直をしていたのである。源氏が呼 ぶと返辞をして起きて来た。 「蝋燭をつけて参れ。随身に弓の絃打ちをして絶えず声を出して魔性に備えるように命じて くれ。こんな寂しい所で安心をして寝ていていいわけはない。先刻惟光が来たと言っていたが、 どうしたか」 「参っておりましたが、御用事もないから、夜明けにお迎えに参ると申して帰りましてござ います」こう源氏と問答をしたのは、
御所の滝口に勤めている男であったから、専門家的に弓絃を鳴 らして、「火危し、火危し」と言いながら、父である預かり役の住居のほうへ行った。 源氏はこの時刻の御所を思った。殿上の宿直役人が姓名を奏上する名対面はもう終わっているだろう、
滝口の武士の宿直の奏上があるころであると、こんなことを思ったところをみると、まだそう深更でなかったに違いない。 寝室へ帰って、暗がりの中を手で探ると夕顔はもとのままの姿で寝ていて、右近がそのそ ばで、うつ伏せになっていた。「どうしたのだ。
気違いじみたこわがりようだ。こんな荒れた家などというものは、狐など が人をおどしてこわがらせるのだよ。 私がおればそんなものにおどかされはしないよ」と言って、源氏は右近を引き起こした。
「とても気持ちが悪うございますので下を向いておりました。奥様はどんなお気持ちでいら っしゃいますことでしょう」 「そうだ、なぜこんなにばかりして」と言って、手で探ると夕顔は息もしていない。動かしてみてもなよなよとして気を失ってい るふうであったから、
若々しい弱い人であったから、何かの物怪にこうされているのであろう と思うと、源氏は歎息されるばかりであった。 蝋燭の明りが来た。右近には立って行くだけの 力がありそうもないので、閨に近い几帳を引き寄せてから、「もっとこちらへ持って来い」と源氏は言った。
主君の寝室の中へはいるというまったくそんな不謹慎な行動をしたことが ない滝口は座敷の上段になった所へもよう来ない。 「もっと近くへ持って来ないか。どんなことも場所によることだ」灯を近くへ取って見ると、この閨の枕の近くに源氏が夢で見たとおりの容貌をした女が見え て、
そしてすっと消えてしまった。昔の小説などにはこんなことも書いてあるが 実際にある とはと思うと源氏は恐ろしくてならないが、恋人はどうなったかという不安が先に立って、自 身がどうされるだろうか
という恐れはそれほどなくて横へ寝て、「ちょいと」と言って不気味な眠りからさまさせようとするが 夕顔のからだは冷えはてていて、息はま ったく絶えているのである。頼りにできる相談相手もない。
坊様などはこんな時のカになるも のであるがそんな人もむろんここにはいない。 右近に対して強がって何かと言った源氏であっ たが、若いこの人は、恋人の死んだのを見ると分別も何もなくなって、
じっと抱いて、「あなた。生きてください。悲しい目を私に見せないで」と言っていたが 恋人のからだはますます冷たくて、すでに人ではなく遺骸であるという感 じが強くなっていく。右近はもう恐怖心も消えて夕顔の死を知って非常に泣く。
紫宸殿に出て 来た鬼は貞信公を威嚇したが、その人の威に押されて逃げた例などを思い出して、源氏はしい て強くなろうとした。 「それでもこのまま死んでしまうことはないだろう。夜というものは声を大きく響かせるから、そんなに泣かないで」
と源氏は右近に注意しながらも、恋人との歓会がたちまちにこうなったことを思うと呆然と なるばかりであった。 滝口を呼んで、「ここに、急に何かに襲われた人があって、苦しんでいるから、すぐに惟光朝臣の泊まって いる家に行って、
早く来るように言えとだれかに命じてくれ。兄の阿闍梨がそこに来ているの だったら、それもいっしょに来るようにと惟光に言わせるのだ。 母親の尼さんなどが聞いて気 にかけるから、たいそうには言わせないように。あれは私の忍び歩きなどをやかましく言って止める人だ」
こんなふうに順序を立ててものを言いながらも、胸は詰まるようで 恋人を死なせることの 悲しさがたまらないものに思われるのといっしょに、あたりの不気味さが
ひしひしと感ぜられ るのであった。もう夜中過ぎになっているらしい。 風がさっきより強くなってきて、それに鳴 る松の枝の音は、それらの大木に深く囲まれた寂しく古い院であることを思わせ、
一風変わった鳥がかれ声で鳴き出すのを、梟とはこれであろうかと思われた。 考えてみるとどこへも遠く 離れて人声もしないこんな寂しい所へなぜ自分は泊まりに来たのであろうと、源氏は後悔の念 もしきりに起こる。
右近は夢中になって夕顔のそばへ寄り、このまま慄え死にをするのでない かと思われた。 それがまた心配で、源氏は一所懸命に右近をつかまえていた。一人は死に、一 人はこうした正体もないふうで、
自身一人だけが普通の人間なのであると思うと源氏はたまら ない気がした。 灯はほのかに瞬いて、中央の室との仕切りの所に立てた屏風の上とか、室の中 の隅々とか、暗いところの見えるここへ、
後ろからひしひしと足音をさせて何かが寄って来る 気がしてならない、惟光が早く来てくれればよいとばかり源氏は思った。 彼は泊まり歩く家を 幾軒も持った男であったから、使いはあちらこちらと尋ねまわっているうちに夜がぼつぼつ明 けてきた。
この間の長さは千夜にもあたるように源氏には思われたのである。 やっとはるかな 所で鳴く鶏の声がしてきたのを聞いて、ほっとした源氏は、こんな危険な目にどうして自分は あうのだろう、
自分の心ではあるが恋愛についてはもったいない、思うべからざる人を思った 報いに こんな後にも前にもない例となるようなみじめな目にあうのであろう、隠してもあった事実はすぐに噂になるであろう、
陛下の思召しをはじめとして人が何と批評することだろう、 世間の嘲笑が自分の上に集まることであろう とうとうついにこんなことで自分は名誉を傷つ けるのだなと源氏は思っていた。やっと惟光が出て来た。夜中でも暁でも源氏の意のままに従って歩いた男が、
今夜に限って そばにおらず、呼びにやってもすぐの間に合わず、時間のおくれたことを源氏は憎みながらも 寝室へ呼んだ。 孤独の悲しみを救う手は惟光にだけあることを源氏は知っている。惟光をそば へ呼んだが、
自分が今言わねばならぬことがあまりにも悲しいものであることを思うと、急に は言葉が出ない。 孤独の悲しみを救う手は惟光にだけあることを源氏は知っている。惟光をそば へ呼んだが、
自分が今言わねばならぬことがあまりにも悲しいものであることを思うと、急に は言葉が出ない。 右近は隣家の惟光が来た気配に、亡き夫人と源氏との交渉の最初の時から今 日までが連続的に思い出されて泣いていた。
源氏も今までは自身一人が強い人になって右近を 抱きかかえていたのであったが 惟光の来たのにほっとすると同時に、はじめて心の底から大 きい悲しみが湧き上がってきた。非常に泣いたのちに源氏は躊躇しながら言い出した。
「奇怪なことが起こったのだ。驚くという言葉では現わせないような驚きをさせられた。 老人はめんどうなものとされているが、こんな場合には、年を取っていて世の中のいろいろな
経験を持っている人が頼もしいのである。源氏も右近も惟光も皆若かった。 どう処置をしていいのか手が出ないのであったが、やっと惟光が、「この院の留守役などに真相を知らせることはよくございません。
当人だけは信用ができましても、秘密の洩れやすい家族を持っていましょうから。ともかくもここを出ていらっしゃいませ」と言った。 「でもここ以上に人の少ない場所はほかにないじゃないか」「それはそうでございます。あの五条の家は女房などが悲しがって大騒ぎをするでしょう、
多い小家の近所隣へそんな声が聞こえますとたちまち世間へ知れてしまいます 山寺と申すも のはこうした死人などを取り扱い馴れておりましょうから、人目を紛らすのには都合がよいよ うに思われます」考えるふうだった惟光は、
「昔知っております女房が尼になって住んでいる家が東山にございますから、そこへお移し いたしましょう。 私の父の乳母をしておりまして、今は老人になっている者の家でございます。 東山ですから人がたくさん行く所のようではございますが、
そこだけは閑静です」と言って、夜と朝の入り替わる時刻の明暗の紛れに車を縁側へ寄せさせた。 源氏自身が遺骸を車へ載せることは無理らしかったから、茣蓙に巻いて惟光が車へ載せた。小柄な人の死骸か らは悪感は受けないできわめて美しいものに思われた。
残酷に思われるような扱い方を遠慮して、確かにも巻かなんだから、茣蓙の横から髪が少しこぼれていた。 それを見た源氏は目がく らむような悲しみを覚えて煙になる最後までも自分がついていたいという気になったのである が、
「あなた様はさっそく二条の院へお帰りなさいませ。世間の者が起き出しませんうちに」 と惟光は言って、遺骸には右近を添えて乗せた。自身の馬を源氏に提供して、自身は徒歩で、 袴のくくりを上げたりして出かけたのであった。
ずいぶん迷惑な役のようにも思われたが、悲 しんでいる源氏を見ては、自分のことなどはどうでもよいという気に惟光はなったのである。 こんなことを思うと胸がせき上が ってくるようで、頭も痛く、からだには発熱も感ぜられて苦しい。こうして自分も死んでしま うのであろうと思われるのである。
八時ごろになっても源氏が起きぬので、女房たちは心配を しだして、朝の食事を寝室の主人へ勧めてみたが無駄だった。 源氏は苦しくて、そして生命の危険が迫ってくるような心細さを覚えていると、宮中のお使いが来た。
帝は昨日もお召しにな った源氏を御覧になれなかったことで御心配をあそばされるのであった。 左大臣家の子息たち も訪問して来たがそのうちの頭中将にだけ、「お立ちになったままでちょっとこちらへ」
と言わせて、源氏は招いた友と御簾を隔てて対した。 私の乳母の、この五月ごろから大病をしていました者が、尼になったりなどしたものです から、その効験でか一時快くなっていましたが、
またこのごろ悪くなりまして、生前にもう一 度だけ訪問をしてくれなどと言ってきているので、小さい時から世話になった者に 最後に恨 めしく思わせるのは残酷だと思って、訪問しましたところがその家の召使の男が前から病気をしていて、
私のいるうちに亡くなったのです。恐縮て私に隠して夜になってからそっと遺骸 を外へ運び出したということを私は気がついたのです。 御所では神事に関した御用の多い時期 ですから、そうした穢れに触れた者は御遠慮すべきであると思って謹慎をしているのです。
それに今朝方からなんだか風邪にかかったのですか、頭痛がして苦しいものですからこんなふうで失礼します」などと源氏は言うのであった。 最後に恨 めしく思わせるのは残酷だと思って、訪問しましたところがその家の召使の男が前から病気をしていて、
私のいるうちに亡くなったのです。恐縮て私に隠して夜になってからそっと遺骸 を外へ運び出したということを私は気がついたのです。 クスリ中毒のコピペ厨はきもいところばかり抜き書きしてる 最後に恨 めしく思わせるのは残酷だと思って、訪問しましたところがその家の召使の男が前から病気を していて、私のいるうちに亡くなったのです。
恐縮して私に隠して夜になってからそっと遺骸 を外へ運び出したということを私は気がついたのです。 御所では神事に関した御用の多い時期 ですから、そうした穢れに触れた者は御遠慮すべきであると思って謹慎をしているのです。
そ れに今朝方からなんだか風邪にかかったのですか、頭痛がして苦しいものですからこんなふう で失礼します」などと源氏は言うのであった。 中将は、「ではそのように奏上しておきましょう。昨夜も音楽のありました時に、御自身でお指図を なさいまして
あちこちとあなたをお捜させになったのですが、おいでにならなかったので、御 機嫌がよろしくありませんでした」 と言って、帰ろうとしたがまた帰って来て、「ねえ、どんな穢れにおあいになったのですか、さっきから伺ったのはどうもほんとうとは 思われない」
と、頭中将から言われた源氏ははっとした。 「今お話ししたようにこまかにではなく、ただ思いがけぬ穢れにあいましたと申し上げてく ださい。こんなので今日は失礼します」
素知らず顔には言っていても、心にはまた愛人の死が浮かんできて、源氏は気分も非常に悪 くなった。 だれの顔も見るのが物憂かった。お使いの蔵人の弁を呼んで、またこまごまと頭中 将に語ったような行触れの事情を
帝へ取り次いでもらった。左大臣家のほうへもそんなことで 行かれぬという手紙が行ったのである。 日が暮れてから惟光が来た。行触れの件を発表したので、二条の院への来訪者は皆庭から取り次ぎをもって用事を申し入れて帰って行くので、
めんどうな人はだれも源氏の居間にいなかった。惟光を見て源氏は、「どうだった、だめだったかと言うと同時に袖を顔へ当てて泣いた。 惟光も泣く泣く言う、「もう確かにお亡れになったのでございます。いつまでお置きしてもよくないことでござい ますから、
それにちょうど明日は葬式によい日でしたから、式のことなどを私の尊敬する老僧 がありまして、それとよく相談をして頼んでまいりました」 「いっしょに行った女は」「それがまたあまりに悲しがりまして、生きていられないというふうなので、今朝は渓へ飛 び込むのでないかと心配されました。
五条の家へ使いを出すというのですが、よく落ち着いて からにしなければいけないと申して、とにかく止めてまいりました」 惟光の報告を聞いているうちに、源氏は前よりもいっそう悲しくなった。
「私も病気になったようで、死ぬのじゃないかと思う」と言った。 「そんなふうにまでお悲しみになるのでございますか、よろしくございません。皆運命でご ざいます。
どうかして秘密のうちに処置をしたいと思いまして、私も自身でどんなこともして いるのでございますよ」 「そうだ、運命に違いない。私もそう思うが軽率な恋愛漁りから、人を死なせてしまったと いう責任を感じるのだ。君の妹の少将の命婦などにも言うなよ。
尼君なんかはまたいつもああ いったふうのことをよくないよくないと小言に言うほうだから、聞かれては恥ずかしくてなら ない」 「山の坊さんたちにもまるで話を変えてしてございます」と惟光が言うので源氏は安心したようである。主従がひそひそ話をしているのを見た女房などは、
「どうも不思議ですね、行触れだとお言いになって参内もなさらないし、また何か悲しいことがあるようにあんなふうにして話していらっしゃる」腑に落ちぬらしく言っていた。 「葬儀はあまり簡単な見苦しいものにしないほうがよい」と源氏が惟光に言った。「そうでもございません。これは大層にいたしてよいことではございません」
と否定してから、惟光が立って行こうとするのを見ると、急にまた源氏は悲しくなった。 「よくないことだとおまえは思うだろうが、私はもう一度遺骸を見たいのだ。それをしない ではいつまでも憂鬱が続くように思われるから、馬ででも行こうと思うが」主人の望みを、とんでもない軽率なことであると思いながらも惟光は止めることができなか った。 「そんなに思召すのならしかたがございません。では早くいらっしゃいまして、夜の更けぬ うちにお帰りなさいませ」
と惟光は言った。五条通いの変装のために作らせた狩衣に着更えなどして源氏は出かけたのである。 病苦が朝よりも加わったこともわかっていて源氏は、軽はずみにそうした所へ出かけて、そこでまたどんな危険が
命をおびやかすかもしれない、やめたほうがいいのではないかとも思ったが、やはり死んだ夕顔に引かれる心が強くて この世での顔を遺骸で見ておかなけれ ば今後の世界でそれは見られないのであるという思いが心細さをおさえて、
例の惟光と随身を 従えて出た。非常に路のはかがゆかぬ気がした。 十七日の月が出てきて、加茂川の河原を通るころ、前駆の者の持つ松明の淡い明りに鳥辺野のほうが見えるというこんな不気味な景色にも
源氏の恐怖心はもう麻痺してしまっていた。ただ悲しみに胸が掻き乱されたふうで目的地に着 いた。凄い気のする所である。 3年以内はちえ&とむばっかでつまんないからここで3年以上語ろうよ
荒らしは現役オタじゃない? 僧たちもだれとはわからぬながら、死者に断 ちがたい愛着を持つらしい男の出現を見て、皆涙をこぼした。
源氏は右近に、「あなたは二条の院へ来なければならない」と言ったのであるが ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています