・日テレ系の年末特番「ダウンタウンのガキの使いやあらへんでSP 絶対に笑ってはいけないアメリカンポリス24時」ではダウンタウンの浜田雅功が黒人を風刺したかのような黒塗りのメイクをしたほか、
もう一つ、見過ごせない大問題があった。

・それは番組中、タレントのベッキーが無理矢理抑え込まれて、タイ式キックボクシングの使い手にキックで強打された上、痛がる姿を笑いものにされたということだ。

・驚き、恐怖に目を見開いて、その場を逃げようとするベッキーだったが、ダウンタウンの浜田らが「動いたら危ない」と抑え込み、半ば無理強いというかたちで、
タイ式キックボクサーの女性の強烈な回し蹴りを腰に受けることに(番組中では「タイキック」と表現。タイに対しても失礼)。

・強打に崩れ落ちたベッキーは「痛い、重い」と苦しみ、しばらく立ち上がることができなかった。。
一方で、浜田と松本人志らダウンタウンや、その場にいた芸人達は「やばい、これはやばい」「めちゃくちゃ痛いやろ」とゲラゲラと大笑いしていた。

・この「ベッキーにタイキック」には、様々な問題があるが、そもそも暴力を笑いにして良いのか、という問題がある。
バラエティー番組にありがちな演出で、ベッキー本人も合意済みで腰にパットを入れるなどして、痛みを軽減していた、ということも、もしかしたらあるのかもしれない。
ただ、それでも、暴力、それも女性への暴力を男性達がゲラゲラ笑うという本企画の構図自体が、醜悪であるし、不謹慎極まりない。

・女性への暴力撤廃のため、重要なことは何か。それは、男性側の規範や行動を変化させることであると、UN Women(女性の地位向上等を目指す国連機関)は強調している。

・世界的な潮流から観れば、女性への暴力を否定するどころか、ゲラゲラと笑いものにするという、「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで〜」のあり方は、「お笑い」であったとしても、断じて、笑えないものなのだ。
https://news.yahoo.co.jp/byline/shivarei/20180106-00080168/