>>61の音楽の先生です。
ジャジーさんのご意見は…うーん、コンニャク問答という感じですね。
例えが格闘技やプールなのはあまり適切ではないかも知れません。

音楽は、私の考えでは朗読に例えると良いのではと思います。
安定して声を出し、それぞれ滑舌よくするために、朗読だと発声練習や発音練習をするのではと思います。音楽だとこれが基礎練習の
ロングトーンだのスケール練習だのに当たるでしょう。朗読や音楽の「部品」に当たるものを磨き上げ、良い材料をつくり、自由度を
上げる、と言うことでしょうね。これは上手な人の理想的な音色や発音を知り、その出し方を理解し、それを体得していく過程です。
良いものを知らずに突撃するといくらでもねじ曲がる危険があるのが、朗読でも音楽でも共通でしょう。
この種の練習は、ずぶの素人を脱したくらいのところで熱心に厳密に行うべきでしょう。その段階を卒業したら「最近ああいうのを
やっていないからあの辺が緩んでいるからあれをやろう」と言うような感じで、自分の状態をセルフチェックしながら維持点検して
行けばとりあえずOkと言えばOkで、そこからさらに上を目指すには多くの場合は達人のアドバイスが必要でしょう。

私が問題だと思っているのは、こうしたコテコテの「基礎練習」もですが、より根が深いのがエチュードだと思います。

よく生徒が3DだのJBAだのの基礎教材に載っている練習曲を吹いていますが、多くの場合、フレーズの処理もアーティキュレーションの処理も
デタラメそのものです。スタッカートはただ短くして音を固くし、フレーズの区切りも音量や音色の変化もなく、ただ一色の音色で
ベーベーダーダーと吹いて、音程とリズムだけを気にして終了、と言うパターンが多いです。
これ、朗読で言えば、文章の区切りも起伏も強調すべき部分も全て無視して全部はっきりと発音して終わり、と言うことです。
ひどい言い方をすれば、機械による合成音声(それもやたらテンションの高い子どもの声)を真似て朗読練習をしているようなものです。
せっかく比較的わかりやすく書かれているのが基礎教材なのに、そうした配慮を全て無視してこういう吹き方をすることこそ、ムダな
基礎練習・有害な基礎練習だと思います。