つづき

本来は、フレージングだのアーティキュレーション処理だの音色変化だの頂点設計だの和声変化への対応だの非和声音の処理だの
リズムの重みづけの処理だのの、演奏の基礎・譜読みの基礎のような部分は、高校生の脳ミソでは自分たちだけではまだ難しいので、
基礎合奏などを通して適切に刺激し、感覚を養い、様々な楽譜のパターンに対して「こういう時はこう吹くのが良い」という当たり前の
パターンを身につけていただくのが一番良いと思います。基礎合奏は本来そのためにあるとすら思います。が、多くの場合は基礎合奏は
生徒指揮が練習の最初に行う「オマジナイ」になっています。先生の行う合奏もリズム合わせ・音程合わせ・バランス調整に終始し、
音楽らしい話は漠然としたイメージの話か、持って回った例えかしかなく、具体論がない場合も多いでしょう。

結局、こうした「きちんとした演奏設計、そのための基礎トレーニングとしてのエチュード」のような話は、誰かしっかりと勉強した
人に教わるしかありません。吹奏楽に限らず、学校の音楽団体の(ある意味)不幸は、そういう指導者ばかりとは限らない、あるいは
指導者がわかっていても、生徒がきちんと理解できる練習の流れになっていない、と言うことに尽きます。

コンクールに熱心な学校は、部品を磨き上げる基礎練習には極めて熱心だろうと思います。基礎合奏も、精度高く(というか誤差なく)
と言うことに相当こだわって練習していることでしょう。合奏の中では、演奏の基礎・譜読みの基礎のような部分も話をされているだろう
と思います。しかし、よく陥りがちなのは、そうした話を生徒が「他の曲に応用できるような形で」消化できていない、と言うことです。