さらにつづき、これでラスト

中学校でコンクール熱心な学校で起きることは、楽器経験も音楽経験も何もない新入生が入部し、B−durの音階が吹ける程度になった
ところで渡される譜面がダフニスとクロエだったり中国の不思議な役人だったりということです。その曲に関してそれらしく吹くことは
頑張ったらできるでしょう。しかし、もっと簡単な曲、例えばスーザのマーチとか、アルフレッド・リードのバッハ編曲とか、そうした
ものを自分で楽譜を読み解いてきちんと音楽的に吹けるようになるでしょうか。それこそ「才能のある」生徒なら可能かも知れません。
しかし多くの場合は難しいでしょう。

本当の基礎練習は、部品を磨き上げることだけではありません。

・「赤とんぼ」や「ふるさと」をあなたは理想的な美しさで吹けますか?
・「夢想花」(とんでとんでとんでとんで…)を完璧にリズムにはめた上でノリノリで吹けますか?
・基礎合奏にあるようなコラールの和声を常に聴きながら、和音のバランスを考慮した上で吹けますか?
・クラシック作品にある自分の楽器の有名ソロは誰が聴いても違和感ないように吹けますか?

これらは、追求しだすと部品の方も磨き上げたくなる上、いくらやっても完璧は難しいかも知れないような難問です。
でも、私はこれこそが本当の基礎練習だと信じます。