薄っぺらいなおまえらは
全うな人間が志を果たす人生を歩んでも、たとえば初老で癌で一年闘病して死んだらそれは悲劇でつまらん人生か 人は皆いずれ死ぬ 周囲に何を残せるかだろ
主題歌の歌詞をもういっぺん読み直せ

まずこれはほとんど一つのヒーロー譚だろ
昔話で言えば、山に怪物が出て村人を襲うのを討ち取りに行った英雄が相打ちで死ぬ 村人は語り継ぎ、残された妻子の面倒も見てくれるだろう 
それに対して「なんだよ カッコつけても死んだら元も子もねえ バカバカしい」 キリッ よく物語など見てられるな

離島の医者として身をささげた人間 死ぬ寸前、快癒し笑って退院していった患者家族たちのあまたの思い出にあふれる人生 島民全員が葬式に出て悼んでくれる
「都会で開業医やってたら豪邸住みの人生だったのに くだらねえ」か

そういう人生俯瞰の照射をしているわけで、そのためのいい構造のとり方だっただろ

その上、この作者の他の作をいくつか見ても、真の主人公は周囲にいた女連中だともいえそうだな
一見冴えない男であっても、この相手の奥さんでよかった、この相手のマネージメントしてよかった、この相手の娘でよかった、と思うだろうし、(今後全力で介護しようと思うだろうし)、
そういう目線を継いでいくことは大事なことだ、といっている物語

それをあの構造で一緒に言っている あの構造でのみ言える 見事なものだろうに