2019.03.23 16:00  NEWSポストセブン
朝ドラ『まんぷく』正確な時計の代わりとなってくれたドラマ

誰もが結末を知る物語だけに難しさもあったのかもしれない。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が朝ドラを総括する。

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半年の間、月曜〜土曜日に放送されてきたNHK連続テレビ小説『まんぷく』もいよいよ来週、その幕を閉じます。ちょっと寂しい。
というのもこの朝ドラ、他の作品とは異質な、明らかに傑出した特徴があったから。それは、「抜群の安定感」「変化することのない一貫性」でしょう。

インスタントラーメンを開発した安藤百福夫婦がモデル。頭の中が仕事で一杯の立花萬平(長谷川博己)と、その夫を支える妻・福子(安藤サクラ)の物語。
福子は家庭内を切り盛りするだけでなく、仕事上でも夫を支えヒントを出したり新商品について重要な助言をする。
ちょっと素人の思いつきのようにも見えるけれど、しかしアイディアはどんぴしゃ当たる。問題が解決され開発は進んでいく──というパターンが繰り返される安定ぶりでした。