久々中身がありそうということで気合い入れて読んだら、全部についておたくは読み違ってるよ
ツッコミそれ自体正しいものがあったとしても、そこから引き出される解釈が成り立たない
ただし、二の次とか言い始めると「安子はロバートと駆け落ちしてるいを捨てた」なる、
カムカム史上屈指のトンチンカンなバッシングと変わりはしない

何故ロバートの誘いをいったんは断ったのだ?安子はロバートに恋心を持ち始めていたというのに
新たな恋と雉真長男の子るいは容易に両立しない中で、安子はるいファーストを貫こうとした
さらに後年カミングアウトした安子は、義父の財力に頼らず自分の力で娘の傷を治してやりたかった」
と表明した
傷を負わせた張本である以上、千吉に安直に頼るのではなく、母の責任で娘に対峙する決意をしたのだった
いずれもるいファーストととの葛藤局面である

こうしてロバートととの出会いは、安子をがんじがらめにしたただひたすらるいのために存在する母なる自画像〜
るいファーストと、安子自身の責任感、自己実現と幸福追求〜たちばな再建、英語教材作り、ロバートへの恋
という矛盾を孕んだ分裂の危機を齎した
戦死した夫の弟とすんなり再婚し、義父の財力に頼り切るのは、たとえるいの幸せに直結したとしても、
それは責任感に基づく安子の強い母性と模索し始めた幸福追求を阻害する選択だろう

安子編終盤を理解する鍵は、るいファーストのための最適解と実際に安子がとった行動との間に、
避けられない乖離が生じたことにある
そこに問題行動があったとしても、それは彼女自身がその時出したギリギリの回答なのであって、
第三者的に毒親だの非難して安易に否定できるものではない