アマデウス (映画)

1823年11月のある夜、ウィーンの街で自殺をはかった老人・アントニオ・サリエリが、精神病院に運ばれた。
彼は病床で「許してくれ、モーツァルト!君を殺したのは私だ」と言い続けていた。

後日、病状が安定したサリエリを神父フォーグラーが訪問し、話を聞こうとする。
当初は神父を蔑み拒否していたサリエリだが次第に軟化する。
そして、にわかには信じ難い驚愕すべき内容の告白を始める。

サリエリは、若い頃は音楽への愛と敬虔な信仰心に生きており、
オーストリア皇帝ヨーゼフ2世に仕える作曲家として、人々から尊敬されていた。
しかし、彼の前に天才作曲家ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが現れたことが、
サリエリの人生のすべてを変えてしまう。
その類い稀なる音楽の才能は大衆から称賛され、
天真爛漫かつ下品で礼儀知らずな人間性は他の作曲家から軽蔑を受ける。
しかし、ただ一人サリエリだけは、「モーツァルトの才能が神の寵愛を受ける唯一最高のものであること」を理解してしまい、
自分はモーツァルトの真価が分かる才能しかない凡庸な人間だと思い知らされる。
そしてモーツァルトへの激しい嫉妬に苛まされるサリエリの苦悩が、大きな悲劇を生んでいく。