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街で四人の愚連隊に囲まれた君は、どうするか。

叶わぬまでも戦って死んだ場合、彼女の心の中には、「私のために彼は戦って死んだ」という思いが残る。戦わず、カネでも女でも何でもどうぞ、と理不尽な要求を満たしていけば、彼女の心の中には、君に対する蔑視が残るだけである。例え君が命を全うしたとしても、いずれ君は自己嫌悪の思いにさいなまれ、男としては抜け殻だろう。

映画「インディペンデンス・デイ」に印象的なシーンがある。宇宙から飛来したUFO軍の方が強い。居並ぶ米航空隊を前にして、アメリカ大統領が叫ぶ。

We do not surrender without a fight! (我々は一戦を交えずに降伏はしない!)

東京裁判で全被告無罪の少数判決を出したインドのパル判事は、その意見書の中で、ハルノートについて、「同様のものを受け取ったらモナコやルクセンブルクのような小国でさえも米国に対して戦っただろう」という、ある歴史家の発言を引用している。

ハルノートを受けた後の日本の指導部も、恐らく、「我々は一戦を交えずに降伏はしない!」という思いであったろう。