日本人や中国人、韓国人を含むアジア人は肌の色が黄色い「黄色人種」と呼ばれる。だが、歴史をひもといてみると、
アジア人の肌が「黄色」だという認識が広がったのは19世紀になってからだった。

国立台湾大学外国語学部のマイケル・キーバック教授が解説する。

16世紀にはアジア人は「白人」だった

東アジア人は、いかにして「黄色人種」と呼ばれるようになったのか──。
実は「黄色人種」という分類は、世界の人種をマッピングした結果にすぎず、実際の肌色とは何の関係もない。

16世紀に東洋人と西洋人が交流し始めたころ、西洋からの旅行者や宣教師、大使らは、東洋人に言及する際、たいてい「白人」と言っている。
19世紀まで肌色は人種の特徴としてそれほど認知されていなかったので言及自体がめったになかったが、
東洋人については幾度となく、「私たち(西洋人)と同じくらい白い」と表現されていた。

「黄色」という言葉は18世紀末に使われ始め、19世紀になると西洋人たちのイメージの中に浸透していった。
ところが17世紀までに中国人と日本人がヨーロッパの貿易システム、宗教、国際関係に加わろうとしないことが明らかになっていくにつれて、
彼らの肌の色は文献の中でかつての白さを失い「濃くなっていった」。

アジア人の肌はいつから「黄色」になったのか─16世紀は「白人」だった
https://courrier.jp/news/archives/203648/