さて>>898などでは、中国産の物品として購入された品がオランダ船によって
オーストラリアに運ばれた可能性を考えてみたが、類似の可能性としては
西洋船の乗船者の私物としてオーストラリアへ運ばれたパターンも考えられる。

とくにオランダ東インド会社の船は中国出身の船員を多く雇用し、1600年代には
日本出身の傭兵も使っていたから、VOCの船に仏教徒の乗船者がいるのは
自然なことと言える。時代が下ると中国人船員の活動領域はさらに広がり、
英国海事博物館の記録ではトラファルガーの海戦に参加した船員にも中国
出身者が居たという。こうした背景と、オーストラリアで難破した船舶は
1600年代から現代までの間に1400隻に上る(※1)ことを考え合わせると、
オーストラリア西岸に仏教徒が仏像を携えて上陸した可能性は意外とある。

※1 「西オーストラリアの難破船」(英語版Wikipedia)
https://en.wikipedia.org/wiki/Shipwrecks_of_Western_Australia