貯蓄経済を戦争前提だと思うのは結果論に過ぎないよ。
輸入額のインフレに対してはそれ以外対処しようがない。運が良ければ上手くいったろう。
仮に輸出を増やして上手くいったとしても、第一次包囲があった以上、周辺諸国の
工業化発展は戦争危機の増大に繋がる事が明白だし、世界的平和の見地に立てば
そんなリスクは負えない。
戦争前提はむしろ仏波鉄道等軍需企業の投資政策にある。結局これがドイツの
危機感を煽り、一連の流れを作ったわけで。

ワイマール期は自然回復はしていないどころか労働組合運動の失敗や企業の寡頭化で
悪化の一途を辿り、貿易面は辛うじて保てたにせよ、投資面はそれに遙かに及ばず、
資源面ではついに戦前の水準を取り戻すことがなかったんだけど。
賠償金支払いの要である独鉄も二等化や自動車競争云々でズタボロになった上、
ドーズ案以上に厳しく制裁的・商業的なヤング案により修復不可能になったわけで、
賠償不履行はナチス以前から既に決定されていた。

結局経済面でも外交面でも、ナチスによって変わるものは何もない。