Voice 2019年3月号
特別インタビュー
日本は「異常な国」でよい 藤原正彦
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 【藤原】
 また、「フランスほど人種差別をする国はヨーロッパにない」という事実は、日本人がパリに行けばすぐわかります。
たとえ星付きのホテルやレストランでも、案内する部屋や席、態度であからさまな差別を受けます。もちろん、外国人に
対する本能的な抵抗感は、どの国の国民もゼロではありません。ただし決定的な違いは、パリなどではそれを「隠さない」
ということ。心に抱く負の感情を隠すか、剥き出しにするかで、国民の教養と国家の品格が試される。フランスは一部の
エリート層を除き、アメリカのトランプ大統領のごとく「本音であれば何をいっても構わない」という無教養に陥っています。
 それからカルロス・ゴーンについてですが、十年以上前にパリに行った際、ルノーの女性社員と食事をする機会があり
ました。彼女は私に「ゴーンは嫌い。私の同僚も皆同じよ。そもそも顔がね」と語りました。