「陛下や私があの原子爆弾に依つて得た感じは、待ちに待つた終戦断行の好機を此処に
与へられたと言ふのであつた。それらの心理的衝撃を利用して此の際断行すれば、
終戦はどうやら出来るのではないかと考へたのだ。
……私ども和平派はあれに拠つて終戦運動を援助して貰つた格好である」。
こうして、原爆は和平派にとって、戦争終結という大目的のために政治的に
利用すべき「口実」として「非常に好都合なもの」(鈴木貫太郎首相)であった。
つまり日本の和平派が軍部の強硬派から襲撃を受けず、
終戦の機会を得た事を意味している。