スコットランドにおいて、ローランドの人々はハイランドに住む同胞を
自分たちとは異なる「劣等人種」と考え、粗暴で背信に走りやすい、
極貧にあえぐ後進的な輩と見なした。
彼らは1830年代になってもハイランドの人々を野蛮人、原住民と呼んでいた。
驚いたことに、18世紀後半ごろ、ハイランドの人たちもローランドの人たちの
ことを、「粗野で堕落した人種」と考えていた。
相互に相手を「野蛮」視することがやむことなく長く続いたのである。