ゴルバチョフは就任当初、社会主義体制の枠内での上からの改革を志向した。
しかしソ連の硬直化した官僚機構は改革に抵抗し、彼は満足な成果を上げることが出来なかった。

そこで86年のチェルノブイリ原発事故以降、ゴルバチョフは改革を進めるために、
情報公開を進め、国民に自由な議論や発言を保障することで、民衆を改革の主要な担い手として
取り込もうとした。

しかし最終的に、民族主義や共産党支配に対する不満が噴出し、それが各共和国の自立や
国民の共産党離れを引き落とした。そして8月クーデターが決定打となって、ソ連は消滅した。

では、ゴルバチョフはどのように改革を進めて行けば、ソ連崩壊を回避しつつ、
経済の立て直しや民族問題の解決を図ることが出来たのか?このことについて考えよう。