実際には、金閣寺や銀閣寺を初めとして、京都の名所旧跡というのは、平安時代より室町時代のものが主力だ。
時代としては、中国でいえば明朝に相当する。

でも、室町時代の日本は、平安時代の日本と切れ目なくつながっている。
それに比べて、明は、唐の流れを受け継いでいない。

唐の都の長安は、とっくに滅んで久しく、黄土の砂塵に埋もれていた。
その跡地に、明が西安を再建した。

遼・金・元の後継者たる北京帝国の明が、西からの脅威に対抗すべく城壁を築いたのだ。