日本狂奴浙東を乱る 将軍変を聴いて気虹の如し 沙頭に陣を列ねて烽煙暗く

夜半に兵を鏖しにして海水紅なり 篳葎に歌を按じて落月を吹く 髑髏に酒を盛りて清風に飲む

何れの時か南山の竹を截り尽して 細かに当年殺賊の功を写さん

【「太平記」巻三十九「神功皇后新羅を攻め給う事」より、福州吾元輔王乙・作詩】