配偶者選択の現状 ─「結婚に関する人口学的調査」の結果から─
http://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/14168401.pdf

世界中で一番近親婚率の高い国はエジプトとインドであり、これらの国における近親婚率は30%以上にも達している。
しかしながら、我が国でも山村や孤島などの集団で近親婚率を調べると30%を超えている集団がいくつかあった。
我が国における近親婚率はこれら隔離された集団ばかりでなく、都市部においてもつい最近まで近親婚率は数%におよんでいた。
我が国における近親婚率と諸外国の値を比較すると、我が国の値はインド・エジプトの次に高くブラジルの値と同水準にある。

近親婚率を調べることは、集団全体の人口資質を知る上で大切である。
なぜなら、近親婚をした夫婦の子供は、他人結婚をした夫婦の子供より染色体劣勢遺伝病(例えば白子など)の発生率が高いことや、
死産、乳幼児死亡率が高いこと、ある種の先天奇形発生率が高いことなどが知られているからである。

我が国のように諸外国と較べて近親婚の多い国においては今後も近親婚の動向を調べていく必要があろう。