■イスラム教徒なんですね。

サンコン: うん、信じてる。信じてるんだけど、しんどいなと思ってる。断食をやらなきゃいけないし。
ラマダンで1カ月、昼間ご飯食べられないんだよ。できないよ(笑い)。
1回やってみたの。そしたら夕方にはへろへろになって病院行っちゃった。「先生、薬ちょうだい」って。

IS(「イスラム国」)は違うけど、イスラム教はまず人の命を大切にしている。そしてご先祖さまを大事にしている。
それと、自分の心の中に神があるんですよ。何をやっても必ず見られてると思ってるの。

今いろんな教団に行くけれど、やっぱりご先祖さまや信心を大事にしている人、僕は大好きです。
決して自分の力だけで生きてるんじゃないんだよ。我々の周りには見えない世界がいっぱいある。
教義的にはいろいろあるかもしれないけど、僕はイスラム教を信じてるの。
お母さんやおじいちゃんがいつも見守っているなと思ってるの。

これは母と最後に会った時にもらった指輪なの。亡くなる前に自分で外して僕に着けてくれたんですよ。形見。
これが無いときはなんかちょっと不安。お母さんが亡くなったのは2005年の12月19日、一生忘れない。

つらいときには「お母さん、助けてください」とお願いするの。お父さんでもいいんだけど、お父さんは兄弟みんなのお父さん。
だから僕の一番大事な人は母ですよ。亡くなった人を大事にするという感覚は、日本人と全くおんなじ。

■イスラム教と日本の仏教はどのように交流すべきですか。

サンコン: 仏教の考え方とイスラム教の考え方は一緒。僕はお坊さんと話をすると話が合うんですよ。
勉強会でもやって意見交換すれば、同じことだと分かるよ。
エジプトのピラミッドみたいなもの。上ってみればみんな同じ所に着いている。
いろんな道があるかもしれないけど、ターゲットは一緒。

まず人の命を大切にすることとか、基本的に自然を大事にして、モノを大切にして。
それで自分一人で生きていると思ったら大間違い。見えない世界がいっぱいある。
ご先祖さまが見守っている。それはイスラム、仏教、キリスト教、みんな同じだと思ってますね。