ギリシャ語でυとΥ(イプシロン)で表される母音は最も古い時代には[u]と発音する音だったが
やがて[y](仏語のuや独語のu¨、中国語のyuに近い)に音が変化した([u]の音はその頃にはουと書いた)
これが最も後々影響力のある「古典時代」「黄金期」のギリシャ語の文字の使い方
(後にυの発音は[i]に変化する)
ラテン人がギリシャ文字を借用してラテン文字を作った時代のギリシャ語は上記の古い発音だったらしく
ギリシャ文字υから作られたラテン文字「v」(のちに母音の時は特にuと書かれるようになる)の
発音は[y]ではなく[u]だった
ローマ人は共和制時代以後になってから教養としての古典期ギリシャ語を熱心に学んだが
ラテン語に大量に借用された語にはラテン語にない[y]という発音が含まれていた
ローマではυ[y]をラテン語のv/u[u]やi[i]の音と区別するために、
ギリシャ文字のυを再び借用して専用の「y」という文字を用意した
だからラテン語の中でyの入った単語は必ずギリシャ語からの借用語ということになる
仏)イグレック、西)イグリェガなどの呼び名は「ギリシャのイ(i)」を意味する
しかし欧州各国語でのyの文字の使い方は英語でわかるようにそれとはまた違う
ラテン文字のvからはラテン語自身と各国語の都合に合わせてu、wも生まれた
>>399が言っているのはその事だが、オランダ語のijとの関係はまた別の話