>>552
印欧語全般に男性名詞と女性名詞の格変化のパターンは非常に類似していて、
それらと中性名詞のパターンの違いがくっきりしているので、
前者は後から分化したと考えるのが自然だ
https://en.wikipedia.org/wiki/Grammatical_gender#Indo-European
後の印欧語で中性と汎性(無生と有生)の二分法に退化した言語は
オランダ語やノルウェー語などいくつかあるが、それにはもっと長い時間がかかっている
喉音H1,H2,H3の保存などを考慮すればヒッタイト語の年代は他の印欧語よりも飛び抜けて古い
ヒッタイト語が過去に接触した言語と言えばまずハッティ語だが、多くの影響を受けながら、
ヒッタイト語はハッティ語が属すると考えられている北西コーカサス語の特徴、
高度な膠着語的特徴、能格性または活格性といったものを一切持っていない
ハッティ語がヒッタイト語に及ぼした影響は語彙的なものにとどまるものだったと考えられる
もう一つ、ヒッタイト語と大規模に接触した言語はアッカド語だが、
アッカド語は他の多くのセム語と同様に中性を持たず、男性と女性のみだから、
汎性と中性だけのヒッタイト語とはまっこうから異なる
文字体系などの影響は大きいが、アッカド語もヒッタイト語のジェンダーに影響していない