>>611
モンゴル語の(甘い)は、amttay。
味は、amt。
そして、中国東北部に住むダグール族はモンゴル族の一つであるが、話すダグール語はモンゴル語とは著しく異なるそうだ。
そのダグール語の幼児語にamtaがあり、これは(飴、甘い)を意味するという。
また、amtaはエヴェンキ語で(味)を意味し、全ツングース語ではamtanは(味)を意味するという。
これらの語は、モンゴル語からかなり古い時代にツングース語に入った語彙と考えることができるそうだ。

つまり、モンゴル語の(甘い)を意味するamttay、(味)を意味するamtの語彙が、古い時代にダグール語やツングース語に入ったというわけだ。
これが、日本にももたらされてamai(甘い)の語彙になったことは十分考えられる。
そこで、問題なのが、朝鮮語のmas(味)。
モンゴル語由来なのは、確かだろう。
しかるに、近隣のダグール語やツングース語では、モンゴル語とほとんど同じamtaの発音がみられるが、朝鮮語ではa音が落ちたmas(味)の発音となっているのだ。
海を隔てて距離のある日本では、モンゴル語やツングース語とほぼ同じamaiの発音が保持されている。
朝鮮語では、masは(味)を意味するだけで、(甘い)を意味する語彙は別にあり、masには(甘い)意味はないのである。
このあたりに、なにか微妙なものがあるのではないだろうか。