高句麗語で海は「波旦 *patan」と復元されているが
第一集20ページの「海」を見ると咸鏡道と済州島および慶尚南道沿岸という両辺境にそれと類似した「pa-daŋ」が分布していることに気付く

ハングル文献上は末子音が消失しつつあるpatah(および古代にまでは遡らないだろう非主流系のparʌl)までが限界であり、祖型からはとても遠い
傍系であるparʌlとて、新羅語として記録されている「波珍 *patɔr」の系統であり、こうなればもはや新羅語が他地域で非朝鮮語族と入れ替わったとは到底考えられない

また、全羅南道沿岸を中心には「pa-dak」が分布しており、これもまたハングル創成以前の分岐だろう
当時ほぼ消えかけの-hがどうしてそれより聞こえ度の大きい-kに逆戻りできうるだろう