高校での銃乱射事件の
被害者両親と加害者両親が対話する話。

緊張感がすごい。
9割くらいはひとつの部屋での4人の対話。
それでも各々の表情が豊かで、
室内での多少の移動があり、
それを捉えるカメラも上手くて飽きない。

真摯に話すほどに
当時都合のいいところに縋って
息子と向き合いきれなかったことが
露呈していく加害者両親。
責めないつもりが責めてしまう被害者両親。

被害者母による
自分たちが楽になるための赦しがなされ、
解散して全員が部屋を出たところで
終わるかと思いきや、
その後も続いて蛇足……ではなく。

加害者両親が教会を去るときに
被害者母が言った
「先に行かせてあげたい」は
ダブルミーニングに思えた。
加害者母にもらった花を持ち帰るべく
箱に梱包するために留まっていた
被害者両親のもとに戻ってきた加害者母、
事件の一週間前の出来事を語る。
荒れて母に対して殴ると脅した息子を
恐れて逃げてしまった、
殴らせればよかった、と。
この話を聞いたときに被害者母は
本当に赦せたのではなかろうか。
また会いましょうと言っていたが、
きっともう会うことはないんだろうなぁ。

実際のところ、
赦せる親ってどのくらいいるのだろう。
信仰の有無の影響も大きそう。
自分には子がいないからわからない。