5日のローエングリンはなかなかよかった。ブラボーとほぼ同時くらいの拍手でステージ前に殺到した
人がけっこういた。去年の神々のたそがれでは余韻・静寂感があったから余計にそう思った。N響は
いろんなうねりのある演奏だった。去年のヤノフスキはオケのまとまりを生かしてしっかりと聴かせて
いた。どっちがいいかは個人の好き嫌いの範疇だろう。ローエングリンはトリスタンと同じように2幕の
激しさが魅力。今日はさらに美しさに磨きがかかれば観客のもっと大きな拍手となるだろう。
おととしのウイーン国立歌劇場のワルキューレでは初日はオケの調子がいまいちで今年3月のびわ湖の
京響の方がかなり上だという気がした。でも2日めは一変して今は亡きベームやクライバーの魂のこもった
音楽が聴けて本当によかった。日フィルのラインの黄金も第2日目で今日のN響も5日以上の素晴らしい
演奏になるのかも。初日の演奏ではややどうなのかと気になる部分もあったが観客の指揮者を
みる目は熱く、終演後の観客の反応はやや宗教ががってるかなという感じすらした。指揮者の出すオーラと
いうものはとても大事だなあという気がした。そんなオーラが今、ブロムシュテットにも感じられるように思える。
まあそれも含めて音楽ということなのだろう。5日は「京響のワルキューレと比べて」どうこうと話している人が
多く、「だちかんわ」と大声で叫ぶ人もいたのを見る限り関西からの遠征組が多いように思えた(自分もそうだけど)