新型コロナウイルスをめぐっては、全国の介護施設で、集団感染が相次ぎ、
その支援体制が問われています。福岡市の介護施設は、

ヘルパー全員が自宅待機を余儀なくされ、入居者の世話をする人がいなくなりました。

防護服に身を包んだ職員。新型コロナの感染者が出た介護の現場です。

家族のいるスタッフは、感染をおそれて、自宅に帰らず、施設に泊まり込みました。

福岡市東区を拠点に、福祉施設グループを経営する人です。

「錯覚しちゃう。終わらないんじゃないかみたいな。気力がもたないんですよね」(社長)

グループでは、先月、あわせて16人が感染しました。クラスターが発生したのです。
このうち入居者の90代の女性は死亡しました。

「耳が遠い方とか、どうしても話すときに、顔を近づけて会話してしまう。
認知症の方だったら『部屋にいて』とお願いしてもなかなか通らない」(社長)
まもなく施設は、「孤立状態」に陥りました。

「こちらの3階建ての建物が、1人目の感染者が出た老人ホームです。
ここで介助を担っていたヘルパーは全員、自宅待機を余儀なくされました」(記者)

グループで、入居者の食事や排泄などの、実際の介助を担うのがヘルパー部門です。

このヘルパーたちが、全員いなくなったのです。

窮状を把握した福岡市は、 外部のヘルパーを呼ぼうとしました。しかし・・・

感染リスクのある施設に、スタッフを派遣する事業所は現れませんでした。

残されたのは、感染した人を含む老人ホームの入居者90人と20人ほどの施設の職員です。