名詞と動詞の連用形の境界
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たとえば、
友人を見送りに行く
人を調べに出す
お聞きの事と思います
お願いです
謀反の疑いありだ
などの「見舞い」や「調べ」や「聞き」や「願い」や「あり」は名詞なのか?
それとも動詞の連用形なのか? >>1のいうことをやや詳しくしておこう。動詞について、3つの概念を設ける。
(a)連用形:「-た」「-ます」などの動詞的な付属語や、「-こむ」「-おえる」など他の動詞を付加するときの形
(b)動詞に由来する名詞:助詞を任意につけられるもの。
喜び、語り、鎧、通り、おきて、もみじ……など (c)中間的用法:助詞をともなっているが、そのパターンが固定的であるもの。
・〜に+動詞:同じ動詞を反復して強調を表す。「待ちに待った」など
・〜に:目的を表し、後に動詞が来るが物理的な移動を含むものに限る
・〜は/も/さえ しない、〜こそ すれど など:副助詞がつく場合
・お〜になる、お〜だ、(お〜あり)、お〜する:敬語で
・成句:「焼きが回る」「食いが悪い」など
など
(a)は形態(b)は語彙(c)は統語に属するが、
(b)と(c)が(a)に由来するため、動詞の連用形と一括される。 ところで、語を分類したものである品詞には、名詞と動詞(用言)の2つのカテゴリーしかない。
しかし連用形は3つに分けられるので、(c)を名詞の用法に含めるか、動詞の用法に含めるかという問題が生じる。
ある語が名詞かどうかの判別は第一には「助詞の付加」によっている。
「-ます」がつくときの語形は-ますがあって助詞はつけられない以上、名詞には含められない。よって動詞に入る。
一方で、自由に助詞を取るものは、動詞と語源的に無関係な、水とか手とかいった語と何もちがいはないので名詞に入る。
(a)と(b)については何も問題はない。だが、(c)は一部の助詞を取るものの(b)と同じとは言えない。どうするか。 教科書的には(c)は動詞の用法に入る。ではなぜ中間的用法は動詞といえるのか、それがこのスレッドの主題だ。
この連用形をめぐる問題は、助詞の付加とは別の、名詞と動詞を分ける第二の基準とは何かという思弁的なところにゆきつく。
個人的には、中間的用法を動詞に入れるのは妥当だと考える。しかしその前に他の方の意見をうかがいたい。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています