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大日本帝国は民主国家だったのか? [無断転載禁止]©2ch.net
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0628名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2017/01/18(水) 07:58:14.81ID:uKQxpaZi0
歴史通:2017年1月号
総力特集A「歴史の常識」はウソだらけ
「東京裁判史観」戦勝国の「戦争責任」を問え!
■伊藤 隆/福井義高/江崎道朗
ttp://web-wac.co.jp/magazine/rekishi/2017%E5%B9%B4%EF%BC%91%E6%9C%88%E5%8F%B7-2
【福井】 伊藤先生は、はやくから、マルクス主義に強く影響された歴史学界に新風を吹き込まれ、その成果をまとめた
『昭和初期政治史研究』(東大出版会)や『昭和期の政治』・『同[続]』(山川出版社)を、1960年代後半から90年代に
かけて刊行されました。そこで提示された新しい歴史観は今も古びていません。昭和戦前期を安易にファシズム国家であると
断定する多数派に対して、実質的にそうした主張の根拠のなさを指摘された。ところが、その後、日本の近代史研究は退歩
しているような気がします。東京裁判史観がますます強固になったようにも思えます。
       (中略)
【福井】 1975年に出版された、当時の世界中の著名なファシズム研究者の業績をまとめた、ヘンリー・ターナー編集の
『Reappraisals of Fascism』という本があります。その序文に、マルクス主義的ファシズム論はクォリティが低く、ここで
取り上げるに値する業績はない、と書いてある。日本については、ジョージウィルソンが、日本の政治体制はファシズムとは
言えないと明言しています。要は、当時の日本は、初期のダイナミズムを失い、権威主義的傾向が顕著となった、遅れて
近代化した非欧米国家のひとつだったというわけです。
 その頃日本では、伊藤先生が旧来の「天皇制ファシズム国家」論者に決死の覚悟で挑むという調子で自説を主張されて
いました。実は先生の主張は、同時期、世界的な研究者の間ではすでに常識的な考え方になっていたんです。
       (中略)
【福井】 伊藤先生が1960年代に出されたフレームワークは、それまでの一般的な意味での右と左、あるいは復古と進歩と
いう横軸に、革新と現状維持という縦軸を加えた画期的なものでした。この枠組みでは、通常の横軸で見れば、左右の両極
として相容れないように見える共産主義といわゆる国家社会主義は、縦軸で見れば、革新あるいは革命勢力と言う点で同じ
グループなのです。当時、多くのマルクス主義者が一転して「天皇制ファシスト」になったことは、ある意味、自然なことでした。
 先生がこの枠組みを提唱された後、同じような見方が、海外で全然違う文脈で注目されました。ゼ―ヴ・ステンネルという、
かつてフランスで活躍したユダヤ人歴史政治学者の手になる、『Ni droite ni gauche』(1983年)という本があります。タイトル
は「右でも左でもなく」という意味ですが、世界的に話題になりました。英語版も出ています。彼はフランスを例に、従来の右
とか左では理解できない、戦前欧州の政治状況について、重要な指摘をしています。英国のように現状維持勢力である
伝統的保守が強い国では、革命勢力であるファシズムが弱く、逆に、現状維持勢力が弱い仏独伊では、マルクス主義と
ならんでファシズムが、大きな勢力となり、独伊では政権を取った。
       (中略)
【江崎】 Willの12月号で、加藤陽子氏をテーマにして岩田温さんと対談したのですが(記事タイトルは「加藤陽子センセイ、
中高生を誑かさないで!」)、彼女も先生のゼミ生の一人でした。
【伊藤】 彼女は元新左翼でしたが、私の指導で非常に実証的ないい仕事をしました。私と関りがなくなったとたんに元の
新左翼に復帰しましたが、そういう人はたくさんいます。中大の吉見義明氏もそうです。彼は、慰安婦問題で今でも理解しが
たいことをやっていますね。
【福井】 アメリカでも同じような傾向があって、1940年代生まれよりも後の若い世代の研究者が、マルクス主義的歴史解釈
に先祖返りしています。世界的な傾向と言えるかもしれません。ジェームズ・グレガーの『Totalitarianism and Political
Religion』(2012年)を読むと、日本の政治体制はファシズムとはとても言えない、と書かれています。いま彼は伊藤先生と
同じく、80代。しかし、アメリカでも若い世代の方が「日本暗黒史観」という先祖返りの傾向が見えてくるんです。
《続く》
0629名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2017/01/18(水) 07:58:44.25ID:uKQxpaZi0
>>628
《続き》
【伊藤】 結局、コミュニストでソ連のスパイと疑われていたハーバート・ノーマンに比べて、はるかにまともだった、
エドウィン・ライシャワーの客観的な対日歴史観も否定されつつある。それも悪しき修正主義ですよね。ライシャワーの最後
の弟子ともいうべきジョージ・アキタはまだ現役で活躍していますが、それ以外の人たちはほとんど“アンチ・ライシャワー”
路線ですからね。ハーバード大学のアンドルー・ゴードンも。そうでないとアメリカの大学では、日本研究者として就職でき
ない。
 私のゼミにいた人たちの多くもそちらへ行ってしまった。
       (中略)
【江崎】 折角、「日本暗黒史観」ともいうべき近代日本の見方をライシャワーが、『日本近代の新しい見方』(講談社現代
新書)などで軌道修正してくれたのに、ジョン・ダワーのようなニュー・レフト(新左翼)の研究者がいつのまにか台頭し、
路線闘争をやり、ライシャワーの路線が次々に修正された。ニュー・レフトのジョン・ダワーたちが、アメリカの学会の対日・
アジア研究を乗っ取ってしまった。そのことをハワード・ショーンバーガーが左の立場から誇らしげに書いていました
(『占領1945〜1952 戦後日本をつくりあげた8人のアメリカ人』)。
       (中略)
 先日、『アメリカはなぜ日本を見下すのか? ―間違いだらけの「対日歴史観」を正す』(ワニブックスPLAS新書)の著者
であるジェイソン・モーガンというアメリカの歴史学者が日本に来て、Willでインタビューしたのですが、アメリカの歴史学会は
日本よりひどい、というんですね。左翼と新左翼の歴史学会しかなくて、公平で中立的な歴史を研究することが許されない。
新左翼のジョン・ダワー一派が乗っ取ってしまったみたいです。
【伊藤】 ダワー一派に属していないと職もないし、研究費ももらえないのです。
       (中略)
【江崎】 私は、アメリカの新左翼の日本研究のトレンドを、保守派の運動家の立場からウォッチしてきました。ノーマンを
再評価したダワーが出て来てから、日本国民は、「日本の軍国主義者の犠牲者」ではなくて、「アジアに対する加害者」で
あり、今後は日本の加害責任をより追及すべきであり、具体的には、東京裁判で追及されなかった天皇とアジアに対する
戦争責任を追及するかどうかで日本の民主化を評価する――というふうに歴史観を修正させられてしまった。…(略)…
 新左翼によるその基本的な考え方が確立されたのが1970年代。それに基づいて「従軍」慰安婦、南京事件、731部隊などの
日本の加害責任を問う研究が日米同時並行で行われるようになった。日米両方の左翼系知識人たちが、「過去完了形」とも
いうべき日本の加害責任ばかりを追及し、それに関して異論をはさもうとするとリビジョニスト(修正主義者)のレッテルを貼る。
歴史と政治の運動の流れを見るとそういうことになるんですよね。…(略)…
       (中略)
【江崎】 先日、米軍でインテリジェンスに関わってきた人と話をする機会がありましたが、天安門や新疆ウイグルなどの
大量虐殺から目をそらすために「南京大虐殺ホロコースト論」を、死刑囚の臓器売買を追及されないために「731問題」を、
国連などで喧伝するのが中国共産党の戦略だと指摘していました。
 また、中国は女性が少ないので、ベトナムやカンボジアなどから女性を拉致して、人民解放軍の兵士たちにあてがっており、
そのセックス・スレイブの問題を隠蔽するために慰安婦問題を利用しているとも。要は、中国共産党政府は自分たちの
「現在進行形」の悪事を隠蔽するために、日本の「過去完了形」の戦争犯罪を大きく騒ぎ立てるわけです。その潮流の中で、
アイリス・チャンが『レイプ・オブ・南京』(1997年)を書いて、アメリカで日本軍による「南京大虐殺」について騒ぎ立てた。
       (中略)
【伊藤】 安倍政権を支えている人たちの考え方は戦勝国史観でしょう。北岡伸一さんも加藤陽子さんほどではないにしても
そうです。彼は昔とイメージが変わりましたね。…(略)…
【福井】 北岡氏はアメリカをよく見ています。冷戦が終わってから、アメリカの指導層の歴史認識というか歴史政策に大きな
変化・修正が生じた。…(略)…ソ連共産主義がファシズムと並ぶ悪であったかどうかという歴史論争はもういいと。それに
合わせて、日本でも、左翼ではない親米派の学者が軌道修正していった。
《続く》
0630名無しさん@お腹いっぱい。
垢版 |
2017/01/18(水) 08:00:38.55ID:uKQxpaZi0
>>629
《続き》
【江崎】 アカデミズムはそうかもしれませんけれど、最近死去した、草の根保守リーダーのフィリス・シュラフリー――日本で
言えば櫻井よしこさんのような人――に話を聞いたとき、なぜ中国の軍事台頭にいま世界が苦しまなければならないのか、
なぜ北朝鮮の核に警告を発しなければならないのか――元はと言えば民主党のルーズベルト大統領がヤルタ会談で
スターリンと協定を結んだことに端を発しているのだから、ルーズベルトのヤルタでの責任を追及することなしにはアジア外交
を立て直すことは無理だというのが、アメリカのコンサバティブの考えだと語っていました。また、ヴェノナ文書が表に出て、
マッカーシーが再評価されるようになりましたが、そういう動きは大歓迎だ、とも言っていました。
 国務省や学会と、こういう保守派とは考え方がずいぶん違うのではないでしょうか。
【福井】 それは保守派といっても民主党から共和党に移動したネオ・コンサバティブではない、元々の草の根的な保守の
人々のことですね。ネオコンは、今回の大統領選挙でも反トランプの急先鋒でした。
       (中略)
【江崎】 民主党のルーズベルト、トルーマンの政敵だった共和党上院議員のロバート・タフトは旧保守の代表で、日本の
中国大陸の動きについても、ロシアと中国の膨張主義に対抗するという意味では理解を示すべきだという立場でした。
このような認識はアメリカの中に昔から途絶えることなく存在しています。
【福井】 いまの日本の外務省はどちらかといえばネオコン路線ですね。安倍首相はそれに乗っているように見えます。集団的
自衛権を推進するのも、対中国の問題もありますが、アメリカの軍事力行使を辞さない介入外交に都合がよいからでしょう。
北岡氏や岡本行夫氏はそのイデオローグともいうべき存在です。安保認識は右派だが、歴史認識は左派。この点は、
中西輝政氏と西岡力氏が『なぜニッポンは歴史戦に負け続けるのか』(日本実業出版社)で指摘しています。
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