【BAN祭り主犯】けーざい(@keezay)を倒そうぜ Part3
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なんとなく、オレはミサの濡れた服に目がいってしまう。 ミサのフレアスカートから覗く生足を見て、オレは思わず生唾を飲み込み喉を鳴らす。 興奮して鼻血が出そうになり、慌てて鼻を押さえてミサから視線を逸らし、気まずくなって人差指で頬を掻く。 人差指で頬を掻きながら、横目で瞬きして、視線を戻しつつミサを見てしまう。 その時、ミサの腰のホルスターに銀色のリボルバー型フックショットが挿してあるのが目に止まった。 銃口の下に掌サイズの球形があり、球形の中にワイヤーが収まっている。 引き金を引くと、三角に尖ったワイヤーの先端が銃口から飛び出す仕組みだ。 フックショットか。こいつで川岸に生えてる樹に刺せば、なんとかなりそうだな。 オレはミサの変なところに目がいかないように瞼を閉じ、瞼を開けないように瞼に力を入れ、ミサの身体を手探りで触ってゆく。 その時、なにか柔らかい物に触れて、オレは思わず瞼を開けた。 なんだ? そう思いながら、オレの左手がミサの胸を掴んでいた。 「ひっ」
オレは情けない悲鳴を上げて、ミサの胸から慌てて手を離す。 ばっちいとばかりに、オレは左手首を必死に振っている。 よ、よし、気を取り直していくぞ。オレは胸を撫で下ろして深呼吸する。 今度は顔を片手で覆い、指の間から片目を開け、ミサの腰のホルスターに挿しているリボルバー型フックショットに手を伸ばす。 ミサが起きやしないかと変に気になりながらも、オレはなんとかリボルバー型フックショットを抜き取った。 調子に乗ったオレはリボルバー型フックショットの引き金に人差指を通してリボルバー型フックショットを回し、鼻頭を人差指で得意げに擦る。 なにやってんだろ、オレは。こうしている間にも、ミサがあぶねぇってのに。 急に虚しくなってどっと疲れが出て、オレはがっくりと肩を落とす。 オレは顔を上げて額を手の甲で拭い、深く息を吐いて落ち着かせた。こりゃ寿命が縮んだな。 何故か嫌な汗を掻いているような気がしたが、川の水と変な汗が混じっているのかわからなかった。 オレは腰に手を当てて、銀色のフックショットをまじまじと見つめた。 頼むぜ。オレは片目を瞑り、銀色のフックショットを片手で構え、川岸に生えている樹の太い幹に狙いを定める。 引き金を引くと、勢いよく銃口からワイヤーが飛び出し、狙い通り樹の太い幹に刺さった。 ワイヤーを思いっきり引っ張ってみる。大丈夫そうだ。一発でうまく幹に刺さってくれた。 オレはミサの脇腹に腕を通して、ホバーボードを掴む。 幹を睨んで、またフックショットの引き金を引き、ワイヤーをゆっくりと巻き取ってゆく。 ゆっくりとワイヤーが銃身に巻き取られてゆく中、川の流れが早くなり、オレは川に流されてゆく。 ワイヤーが伸びきってぎりぎりと嫌な音がする。不味いぞ、上手くワイヤーが刺さってなかったのか? その時、ワイヤーは川の流れに耐えられなくなり、呆気なくワイヤーの先端が幹から抜ける。 オレの叫びも虚しく、オレは川の流れに身を任せるしかなかった。 くそっ。フックショットはダメだったか。オレは引き金を引いて、ワイヤーを巻き取る。 ぜってぇ、お前を助けるからな。オレはミサに振り向いて、ミサの脇腹を通してホバーボードを掴む手に力を入れる。 今日は災難だぜ。まさか、この先は滝じゃねえだろうな。 その時、両川岸にさっきの狼の様な魔物がオレを追いかけてくる。魔物は二匹。 メタリックの骨格の身体で眼が紅く、背中に装備した大きなマシンガン。 もう一匹の背中には大きなキャノン砲を装備している。 オレの傍でマシンガンの弾丸が川に落ち、すぐ傍でキャノン砲が川に落ちて爆発で川に穴が開く。 オレは息を吸って、ミサを押さえたまま川に潜って顔を隠す。 水中でマシンガンの弾丸がオレの頬を掠めたのか、類に痛みが走りオレは顔をしかめる。 川の流れが速くて息が続かず、オレは川から顔を出して大きく口を開ける。 ホバーボードにマシンガンの弾丸が命中したのか火花が散っている。 オレの流される速さに追いつけなくなった魔物は諦めて立ち止って首を振っているのが見えた。 魔物は踵を返して、樹の影に消える魔物の後ろ姿が小さくなる。 どんどん川に流され、川が曲がったりで気分が優れなくなる。やっぱり、滝があるのか? オレの嫌な予感が当たり、辺りに轟音が響く。目の前に大きな滝が口を開けて迫っていた。 おいおい、あんな滝に落ちたら、今度こそ助からないぞ。 成す術もなく、オレとミサは滝に吸い込まれて滝に落ちた。 宙に放り投げ出されたオレは逆さまになってミサに手を伸ばす。 くそっ! ミサが死んじまう。どうにかなんねえのかよ! オレは悔しくて歯を食いしばる。 そうだ。さっきみたいに助けてくれよ! オレは小さくなってゆくミサに手を伸ばしたまま、胸のクリスタルを握り締める。 その時、胸のクリスタルが眩く青白く光る。オレは青白い光が眩しくて、顔の前を手で遮る。 顔の前を手で遮る指の間からホバーボードが縦になってマフラーから火を噴き、真っ直ぐにミサ の元に飛んでゆくのが見える。さっきの魔物の攻撃でホバーボードが損傷して火花を散らしながら。 ミサに追いついたホバーボードはミサの身体の下に潜り込み、ホバーボードの上にミサの身体がうつ伏せに乗っかり、ゆっくりとホバーボードは下がってゆく。 オレはミサに親指を突き出す。頼むぜ、ネロ。 ミサを守ってくれ。 なんとかなるだろ。オレは安心してため息を零し、水飛沫を手で遮りながら辺りを見回す。 どっかにフックショットを引っかけられれば助かるかもしれねえ。 滝の裏の岩壁にフックショットを引っかけるのもいいが、滝の流れが早い。 他にフックショットを引っかけられるような岩や木がない。 やっぱ、近くに引っかけられるようなもんはねえか。そんな甘くねえよな。 オレは緊張で生唾を飲み込んで喉を鳴らし、滝の端の突き出た岩壁に向かってフックショットを構えて、フックショットの引き金を引く。 ワイヤー足りるか? けっこう岩壁まで距離あるな。オレは額に手を当てて、岩壁までの距離を確かめる。 銃口から勢いよくワイヤーが飛び出し、岩壁に突き刺さったフックショットにオレは引っ張られる。 「岩壁に叩きつけられる! そこまで考えてなかったあああああ!」 オレは舌打ちして、フックショットを両手で構えて引き金を引く。 岩壁に突き刺さったワイヤーが抜けてワイヤーが巻き取られ、オレの身体が逆さまに滝壺に吸い寄せられてゆく。 最後にこいつを頼ることになりそうだ。不思議と死ぬ気がしねえ。 「なんとかしやがれ! ただの飾りじゃねえだろうが!」 オレは瞼を閉じ、胸のクリスタルを片手で握り締めた。 その時、滝の向こうから大きな翼が羽ばたく音が聞こえる。 オレの視界に白色の大きなドラゴンが羽ばたきながら、口から炎を吐き、物凄い速さでオレに近づいてくるのが映る。 白色ドラゴンの瞳は吸いこまれそうな透き通る 大きなサファイアブルーだった。まるで大きなサファイアブルーの宝石の様な瞳だ。 白色のドラゴンが火を噴いた熱気がオレを襲い 、オレは顔の前を手で遮る。 物凄い熱気でむわっとする。冷たかったオレの身体が温められる。 な、なんだよ、あいつ。魔物か? オレを捕まえる気なのか? それとも腹が減ってオレを食う気か? 「ワハハハハッ! 感じる、感じるぞ! 久しいオーヴの力だ! ワタシは長い眠りから覚めたぞ!」 人語を操るよく通る声が近づいてきたと思ったら、白色ドラゴンがオレを一瞥して、白色ドラゴンの大きな影がオレの下を通り過ぎる。 次の瞬間、ばさっと翼を広げるような大きな音がして、オレの背中がごつごつと硬い物に触れた ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています