ひと昔前の中国では多くの人が自転車に乗っていたが、経済成長にともなって自転車の代わりに自動車が急増した。そして近年はシェアサイクルが流行していて、大都市では多くの中国人がシェアサイクルを利用している姿を街中で見かけることができるようになった。
 
 だが、中国ではもはやかつてのように大量の自転車が道路を埋め尽くす光景は見られなくなった。

 中国メディアの人民網はこのほど、日本の自転車文化について紹介する記事を掲載し、「アジアのなかでも日本は自転車がブームになっている国の1つ」と紹介し、日本の自転車文化には独特のものがあると伝えた。
 
 世界の自転車王国といえばオランダと言われるが、記事は「日本も自転車が非常に普及している国」であり、しかも近年は健康ブームもあって自転車愛好家が増えていることを紹介。

 さらに、流行の背後には日本の街の狭さが関係しているとし、「日本の街は自転車で5ー10分も走れば生活に必要なスーパーやコンビニ、学校があるので自転車はとても便利な乗り物だ」とした。また体を鍛えるため、通勤に自転車を利用する日本人もいるとした。
 
 日本の自転車文化の独特な点としては、「道路が狭く自転車専用道路が少ないため、歩行者と自転車が同じ道を利用することがあるが、日本人は辛抱強いためベルを鳴らさず歩行者に道を譲る」ことを挙げた。

 ベルを鳴らさないのは交通規則ではなく、社会のマナーの一部であることに驚きを示し、急いでいる時は「すみません」など声をかけて後ろから自転車が来ていることを知らせると伝えた。
 
 中国では自転車も自動車も「クラクションは鳴らさなきゃ損」とばかりに鳴らすので、歩行者ももはや自分のこととは思わず、避けることなく無視する人もいるくらいだ。

 また日本では道路の狭さゆえに、歩行者や自動車との接触や事故を避けるため、自転車の2人乗りや自転車に乗りながらの携帯電話の使用等を禁止する交通規則があり、違反すると最大5万円の罰金が課されるとした。

 中国では自転車に対する交通規則はそれほど厳しくないように見受けられるが、このような中国の環境と比べると、確かに日本の自転車をめぐる文化は独特と言えそうだ。(編集担当:村山健二)

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