釜山工場の稼働率87%から70%へ
ストは継続の可能性大、会社側はシャットダウンも検討
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過去最長期間となるストライキを続けているルノーサムスンに対し、日産自動車が26日「今年の発注は昨年(10万台)より40%少ない6万台とする」と通告したことが分かった。ルノーグループの系列会社である日産は、ルノーサムスンにとって最大の「顧客」であり、日産からの委託生産はルノーサムスンの全生産量の半数を占めている。

 ルノーサムスンは日産から「釜山工場の不安定な供給と不確実な状況を勘案すると、生産量の調整は避けられなくなった」と通知されたことを明かした。ルノーサムスンは日産との契約が今年9月で終了するが、今年いっぱいは例年通り年間10万台の生産が割り当てられると予想していた。しかし日産が40%の削減を通知してきたことで、早くも今年の赤字が懸念されるという危機に陥った。ルノーサムスンの昨年の生産台数は21万台だったが、国内販売が従来通りだったとしても今年は17万台に減少し、釜山工場の稼働率は87%から損益分岐点ぎりぎりとなる70%まで落ち込むことになる。

 ルノーサムスン社側は、生産台数が減少しても労働組合のストライキが続く場合、工場の操業を一時的に中止する「シャットダウン」も検討している。ルノーサムスンの関係者は「労組が、出勤した上での部分ストを続ける場合、通勤バスや勤務時間分の賃金などの費用が掛かることになる」として「どのみち生産台数が不足するのなら一時的に操業を中止して損失を抑えなければならない」と話した。

 ルノーサムスンは日産との委託生産契約が今年9月で満了するが、依然としてその後の生産割り当てを確保できていない。日産ローグの後継モデルは日本の九州工場に生産が割り当てられ、最近では釜山工場で生産が計画されていた新車(XM3)の欧州輸出用の生産分までスペインのルノー工場に奪われそうになっている。ルノーサムスンのドミニク・シニョーラ社長が最近フランスを訪れ本社を説得したが、確実な回答は得られなかった。もし10月以降の生産割り当てを受けられなければ、来年の釜山工場の稼働率は40%まで低下する。

 ルノーサムスンは1次部品会社だけで260社以上あり、協力会社の社員は5万人に上る。ルノーサムスンの危機により、これらの協力会社も連鎖倒産の恐れが出てきている。協力会社各社は「死活問題」だとして、賃金団体交渉の妥結を訴える声明を出したが、労組は基本給引き上げなどを要求して6カ月間で52回、延べ210時間にわたるストを実施し、2352億ウォン(約235億円)もの損失が発生している。

 韓国産業研究院のイ・ハング先任研究委員は「ルノーと日産の協力関係が揺らぎ始め、各社が安く生産できる工場を探し求める中、ルノーサムスンの立場は徐々に危うくなっている」として「一日も早く事態を収束させるべきだ」と指摘した。

柳井(リュ・ジョン)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/03/26/2019032680181.html
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 2019/03/26 22:05