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JALとアエロフロート、包括的業務提携に合意 18年度以降にコードシェア

日本航空(JAL/JL、9201)とアエロフロート・ロシア航空(AFL/SU)は
11月27日、包括的業務提携の覚書を交わした。
2018年度以降の日本−ロシア間でのコードシェア(共同運航)実施や
マイレージ提携などに向け、協議を進めていく。
現在JALが提携しているS7航空(SBI/S7)とは、提携路線などで住み分けを図る見通し。

JALとアエロフロートがコードシェアを予定しているのは、
JALの運航便が成田−モスクワ線と日本国内線、日本発着の国際線で、
アエロフロート便はモスクワ−成田線とモスクワ発着のロシア国内線。
JALの国際線をはじめ、具体的な路線や開始時期はこれから詰める。

JALは現在、S7とロシア路線のコードシェアを実施しているが、
S7はモスクワと日本を結ぶ路線を運航していない。
このため、成田−モスクワ線はJAL便にS7がコードシェアを実施しているのみとなっている。
同路線以外のJAL便では、成田以遠の日本国内線と成田−バンコク線で
S7とコードシェアを実施し、S7運航便はモスクワ発着のロシア国内線17路線と
ハバロフスク−成田線、ウラジオストク−成田線が対象となっている。

今回の提携により、JALのロシア路線のパートナーは、
モスクワ発着路線はアエロフロート、極東路線はS7と、住み分けを図るもようだ。
また、JALとS7が加盟する航空連合は「ワンワールド・アライアンス」、
アエロフロートは「スカイチーム」と異なり、今回の提携はアライアンスをまたいだものだ。
近年はアライアンス内の提携強化よりも、関係の深い会社同士による、
2社間連携が世界的に増える傾向にある。

JALも、7月にベトナムのLCCのベトジェット航空(VJC/VJ)、
9月にインドの新興航空会社でタタ・グループのビスタラ(VSS/UK)、
ハワイアン航空(HAL/HA)、10月にアエロメヒコ航空(AMX/AM)と、
立て続けにワンワールドに属さない航空会社との提携や覚書締結を発表している。

日露間の渡航者数は、今年1月1日に両国がビザの発給要件を緩和したことに伴い、順調に増加。
4月には、アエロフロートによるモスクワ−東京路線が定期便就航50周年を迎えた。
就航当時のモスクワ−羽田線はJALと共同運航を実施しており、
機材とパイロットはアエロフロート、客室乗務員はJALと混成チームで運航し、
利益と経費は双方で等分していた。

1970年には、当時のソビエト連邦政府が外国籍の航空会社による
シベリア上空通過を許可したことから、JALは同年3月から自社便でモスクワ線の運航を始めた。

JALとアエロフロートは今回の覚書締結により、マイル提携や
モスクワでJALが利用する空港の移転、共同事業(JV)の検討など、
将来的な提携内容の協議も進めていく。