それは突然やってきた。
心の奥にある特別な部屋だ。長い人生で誰にも触れさせず誰も招き入れたことはない。大切に守ってきた。
だが菩薩は、いまだ聴いたこともない音色と輝かしくも優しい笑顔で突然やってきたのだ。

この音色はなんだろう。
この笑顔はどうしてだろう。

繰り返し聴くうちに気がついた。
感性の部屋を理屈付けする必要はあるまい。あふれ出る情感には感性でこそ応えるものであろう。

そしてわかった。
これが、これこそが菩薩が奏でる無垢なる調べである。

我が菩薩、辻井伸行さんに大感謝。