>>518
not very の意味合いについて、あまり細かい説明なんて読みたくない人は、俺の書き込みを無視してほしい。
俺が思うには、次のようなことが言えると思う。


★(1) 昔は、たとえば "not very good at math" ならば、(a) 「あまり得意というわけではない」、つまり
「少しは得意かもしれない」という意味合いしかなくて、(b) 「まったく得意ではない」(下手だ)という意味で
使うことはなかったのではないかと思う。そのようなことを伺わせる辞書の記述を紹介する。

very の項目
d. With a negative, frequently denoting ‘only moderately’, ‘rather un??’.

●1710 Swift Jrnl. to Stella 31 Oct. (1948) I. 77
   Then it went off, leaving me sickish, but ★not very★.
●1739 J. Sparrow tr. H. F. Le Dran Observ. Surg. lxxxi. 282
   It was ★not very★ adherent to any other Place than the Coccyx.
●a1871 G. Grote Fragm. Ethical Subj. (1876) i. 24
   They leave them unnoticed, and are ★not very★ willing to admit them in their full extent at all.

[The Oxford English Dictionary; This entry has not yet been fully updated (first published 1917).]

上の辞書の記述は、例の2万ページにわたる巨大な OED のものだ。最後の行に書いてあるように、
1917年以来、この項目のこの解説は、まったく改訂されていない。例文も、18世紀とか19世紀のものであり、
実に古いものしか載っていない。あと数年でこの記述も改訂されるはずで、現代の "not very" の使い方
も載せてくれるとは思うけど、上の記述を見ていると、どうも古くは "not very" が最初の (a) の意味しか
なかったように感じてしまう。

英和辞典の古いものとしては、岩波書店の「熟語本位・英和中辞典」(斎藤秀三郎、1933年)を見ると、
やはり OED と同じく、(a) の意味しか載っていない。

(続く)