ところで、ネットをあさってみると、「子音の直前に『う』っぽい音が出てたら/r/だっ!」という説明を見かけたりするんだけど、これは不完全な、(場合によっては誤った)知識だと思う。

[ɹ](歯〜後部歯茎の接近音)にせよ、[l](歯〜後部歯茎の側面接近音)にせよ、これらは口の中で音を作り出す特定の器官同士を「接近」させて出す音だから、直後の次の音が出る前に何らかの「う」っぽい音は出てるはず、、、ってーか出てます。
実際[la]と発音する際にも[a]の直前に[a]じゃない音は出てるし、[ɹa]と発音する際にも[a]の直前に[a]じゃない音は出てる。

[ɹ]と[l]の聞き分けテストってのは、その音自体を聞き分けるってことなんだけど、実は目(いや、耳だ)を付けるところは他にもある。

まず第1段階は、これら「直前にこもった音がある」ってことを認識すること(当面はあるってことが知覚できれば良いと思う)。
そして第2段階は「次の母音」が何かを特定すること(とりあえず直後に母音が来るケースを想定してます)。
ここまでできれば、次に努力すべき第3段階は、「上述した音の境目」に着目することになります。

[l]という音は、舌先が歯〜後部歯茎に接触し、舌の両側で「接近音」を作り出すという音です。
それ故に、「舌が離れた瞬間にその音は消え去ってしまい、後続のきれいな母音がドーン!と聞こえてくる」はずです。
ものすごくデジタル。

一方、[ɹ]という音は、舌先がどこにも接触せず、舌先と歯〜後部歯茎の間で接近音を作り出しています。
舌先をどこにどれだけ接近させたら接近音になるのかってのは、割といい加減で、それ故に米語の/r/とかイギリス語の/r/といった違いが生まれてきてたりする。
だから、[ɹa]という発音は、どこからどこまでが[ɹ]で、どこからが[a]なのかが非常にあいまいとなります。
徐々にもわ〜っと、第2段階で認識した母音が現れてくる感じ。
ものすごくアナログ。

まずは、そういった聞き方をしてみて、上のテストに参加してみてほしいっす。
健闘を祈る!