>>sim sim sim sim sim sim sim sim
>>というふうな音に聞こえたんだろうな、と想像すればいいのです。その sim- を取って、
>>それに -er をつけて、m を重ねればおしまいです。

ここからは語源マニアの話にはなるけど、知っておくと(あるいは自分で調べてみると)
面白くたくさんの単語が覚えられるということになります。

simmer の末尾の -er って何なんだよ、と言いたくもなるでしょうが、
early - earlier とか hot - hotter の -er とは違って、動詞とか擬音語の
最後に -er をつけて、頻発・反復を表すことがある、と語源辞典には書いてあります。
(通常の辞書でも、そういうことを丁寧に書いてあることもあります。)

古いゲルマン語にあった面白い特徴のうち、たくさんのものは英語では形骸化してしまっていますが、
古い伝統を残しているドイツ語では、それが生きています。

donnern というドイツ語がありますが、これは英語の thunder に相当する動詞です。
ドイツ語のこの単語を発音すると「ドナーン」とか「ドネルン」とかいうふうに聞えますが、
いかにも雷が鳴っている様子をそのまま onomatopoeia としてしまったということが
まるわかりです。ドイツ語は日本語と同じく、こういう感覚的な言葉が多いみたいで、擬声語も多いのです。

それはともかく、donnern の語尾についている -ern は、英語の -er に似ていて、
動詞や擬声語・擬態語(onomatopoeia)の語尾につけて「頻発・反復」を表しているのです。
don という雷の音が頻発すれば、donnern となるのです。

ここで n が一つではなくて2つになっていますが、こういうふうに重なることによって、もしかしたら
don という onomatopoeia の音の響きを強調したかったのかもしれません。

英語の simmer の m が2つ重なっているのも、もともと古くはこの sim という音を強調したかった
から m を重ねたのかもしれません。しかし後の時代になって、英語では simer と書いてしまうと
「サイマー」になってしまって「スィマー」にはならないことになってしまったので、余計に
m を重ねる必要が出てきましたけど、古い英語ではそんな問題はなかったはずです。
ましてはドイツ語ではそんな問題はありません。