「おう優太、お前東京の大学出やったな。お前1から10まで数えてみい。」
「1、2、3、4、5、6、7、8、9、10」
「なんやそら、全然出来てへんやないか。舐めとんか」
「1!2!3!…」
「違う!もう一遍」
「1!!!2!!、」
「違うもうええ!哲、お前やれ」
「12〜3〜4〜5〜67〜89〜10。」
「…。こうやろうが。大学まで行かしてもうて数の数え方も知らんのかいな。
 親御さん泣くで。英語もええけど日本語ぐらいまともに喋れるように勉強せえ。
 なにも敬語を完璧にせえとか無理な事言わん。けどな、数も数えられんかったらわしらの仕事命に懸わるんや。
 哲でも賢でも、先輩によう聞いて、しっかり憶えとけ」