常用漢字のルーツは、このあたりか。
1923年(大正12年)、文部省臨時国語調査会が発表した漢字1962字とその略字154字。一部資料に1960字とあるのは略字によって2組が同字となるため。同年9月1日実施予定であったが、同日発生した関東大震災により頓挫した。
1931年(昭和6年)、「常用漢字表及仮名遣改定案に関する修正」にて上記常用漢字表中の147字を減らし45字を増やして修正した1858字。
1942年(昭和17年)、国語審議会が作成した標準漢字表2528字のうちの常用漢字1134字。ほかに準常用漢字1320字、特別漢字74字。簡易字体(略字)の本体78字、許容64字があった。
1946年(昭和21年)、国語審議会が上記標準漢字表の中の常用漢字から88字を削り249字を加えた常用漢字表1295字案。この案は採択されず、同年、これを修正した1850字が当用漢字として公布された。

一方、表音的かな使いのルーツはもっと古い。
明治41年に文部省に設けられた臨時仮名遣調査委員会では、歴史的仮名遣を支持する論と対立して、大槻文彦・芳賀矢一博士など表音的仮名遣を支持する論があったという。
これは、大正12年に常用漢字ができるよりも古いわけだから、旧字体の漢字につける送り仮名として、表音的かな遣いを支持していたことになる。