>>45続き)
 名詞に「的」を付けると形容動詞語幹を作ることができるけど、そうやって作った語幹がそのまま名詞のように
使えるかというと、「*そうやって夜更かしするのが遅刻するパターンの典型的だ」のように、かえって「的」が
邪魔になってしまう。形容動詞を作るに当たって生産性があるのは「的」であって「な」ではなく、またその
生産性は一方向だけのものだろう。

「に」は語源的には格助詞と共通のものだが、すでに機能は全く異なる。もし同じだと言うのなら、
形容動詞連用形と名詞+格助詞、どちらの意味にも取れる例を持って来たらいい。

「さ」は指摘の通り接尾辞だが、名詞を派生する派生接尾辞だ。格助詞というのは名詞に付くものだから、
すでにできあがった名詞の構成要素となった「さ」が格助詞として機能できるわけもない。そもそも格助詞なら
動詞述語をそのまま連用修飾できなければおかしい。
*彼の寂しさわかる。*いつもの食事の美味しさ気付いた←「が」「に」の省略はないと?

この「さ」の付加は形容詞語幹を名詞化する役目があるだけで、格変化とは全く関係ない。