神武が実在の人物だったかどうかは知らんが、神武紀がいわくつきの英雄譚であることは、だれもが認めていることだろう。
神武紀には異伝の存在を示す一書や一云が一つもない。真っ新の新作大河ドラマみたいだ。
直前の神代紀には異伝などが嫌と言うほど掲載されているのに、直後の神武紀が真っ新の異伝なしということには、説明がいるわな。
それに、饒速日と神武の戦いはまったくの脚色臭く、元々の伝承は物部氏と饒速日を戴く長脛彦とのバトルだったようだ。
だから、饒速日と神武のバトルを大河ドラマの華々しい脚色として除くと、あとには神武が南九州から奈良の橿原にやってきたという話しか残らんのよ。
神武紀の内容は、歴史事実としてはほとんど認められんとは言えるな。