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慣習国際法について

国際法学者の山本草二氏は、国際慣習法として成立するためには、国家実行(外交書簡、
政策声明、法制意見、新聞発表、判決、国内法令、行政機関の決定・措置、条約その他の
国際文書の受諾、条約草案に対する回答など)のほか、国際組織の決議や実行も含まれる、
と書いている。

『国際法新版』 山本草二著 P53
法源としての意義
成文法としての条約の適用範囲が拡大した現在でも、国際慣習法はなお、一般国際法の法源
として重要な役割を維持している。
〜省略〜
(ウ)国際慣習法は、「法として認められた一般慣行の証拠としての国際慣習」をいう(国際司法
裁判所規定38条第一項b)。
したがって、国際慣習法として成立するためには、一般慣行と法的確信の二つ(二元説)について、
諸国家間の一般的承認が確立していることが必要である。
一般慣行
 一般慣行とは、同様の実行が反復、継続されて当該の紛争当事国だけではなく、ひろく一般に
受けいれられるにいたったもの(当該事項に利害関係をもつ国の大多数の実行) をいい、国際
慣習法の実体的・客観的要因である。
(ア)その証拠として推定される「実行」には、国家実行(外交書簡、政策声明、法制意見、新聞
発表、判決、国内法令、行政機関の決定・措置、条約その他の国際文書の受諾、条約草案に
対する回答など)のほか、国際組織の決議や実行も含まれる。
〜以下略〜

慣習国際法
international customary law
国と国との交渉のなかに国家行為の定型ができ,多くの国の間にも行われるようになった慣習が
法的確信をもって行われるときに成立する国際法。統一的立法機関のない国際社会では,一般
国際法の法源の大部分はこの慣習国際法である。特定地域,あるいは特定関係の国々の間に
のみ行われるものは,地域的または特別慣習国際法という。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典