マイルCSの代打騎乗で会心の一撃を放った藤岡康太騎手(34)=栗東・フリー。09年のNHKマイルC以来、2度目のG1制覇だったが、派手なガッツポーズはなく、勝利インタビューでも笑顔はなかった。

「ゴールしてからは、ホッとした気持ちとビックリと。戻ってきた時に、先生や担当の方が泣いていて、それを見た瞬間に、ようやくうれしさが込み上げてきました。でも、ケガをされた騎手(ムーア)のことを考えると、手放しでは喜べなかった」と振り返る。

 自らを見つめ直す勝利でもあった。「代打で選んでいただけたのはうれしいけれど、最初の16人に選ばれていない。最初からG1を任されるジョッキーにならないといけない。注目してもらえる機会を、関係者の方とナミュールが与えてくれたので、ここからまた頑張りたい」と口元を強く結ぶ。

 今週の注目は京阪杯のトゥラヴェスーラだ。「ここ2回、うまく乗れたという感じではなかった。今の京都の馬場は合うと思う」。6月の長男誕生に続き、G1勝利。勢いに乗る新米パパが2週連続の重賞Vを狙う。(デイリースポーツ・井上達也)

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