「なんじゃ。覚えとらんのか」

 オラも肩を落とした。




「力になれなくて、すまないね。でも、それがどうかしたのかい?」

 神楽が目をぱちくりさせて、オラと梓を交互に見る。




「それがさぁ。光秀と一緒に勘兵衛を救える方法を考えてたら、神楽が神さまに会ったって言うから」

 梓が肩を落としたまま喋る。

 その後、ため息を零す。

「そうじゃ。もしかしたら、そこに手がかりがあると思うての。神楽に話を訊こうと思ったんじゃ」

 オラも肩を落としたまま喋る。

 その後、ため息を零す。




「なかなか面白いことを考えたじゃないか。でも、覚えてないんだ」

 神楽が扇を広げて畳んで、扇を畳みの上に置いた。